2010年3月14日日曜日

第一回静岡県現代俳句大賞

「車椅子」
梅雨近し車椅子ごと乗る体重計
立冬や看護師の手のやわらかし
生かされているということ若葉雨
梅雨に入る呼吸器つけて灯を消して
子規ほどの食欲も無き冬ごもり
痰を引く音にまぎれて蚊の羽音
木枯しや骨の擦れ合う音がする
秋風や透明人間とすれ違う
秋の夕暮れ人はすぐいなくなる
秋の灯や素粒子論の半世紀

静岡県現代俳句大賞 受賞の喜び
 このたびの俳句大会において大賞という思いもよらなかった大きな賞をいただき驚き感激しております。
 日々家族をはじめ多くの人達に支えられながらの俳句作りは私の楽しみであり生きがいとなっております。
 これからも一日一日暮らしの中の発見と出会いを大切に俳句作りを続けてまいりたいと思います。
 簡単ではございますが受賞の喜びとお礼を申しあげます。ありがとうございました。
 牧之原市  中川 弘