そこからは明日が見えるか遠桜
屋上に出てみると暖かな光に冷たい風が吹いて、正面の山の緑の中に桜が三本見えました。
そこからは あすがみえるか とおざくら
季語:桜(さくら)
遠桜。遠くに見える桜。
震災児育つ震災桜咲く
震災時誕生した命も震災を生き抜いた命とともに育ち、震災を生き抜いた桜も新たに育った桜とともに咲く。困難を克服する力強さを持ちたい。
しんさいじそだつ しんさいざくらさく
季語:桜(さくら)
桜は花の中の花。古来より詩歌に歌われ、日本人に愛されてきた花である。もともとは、山野に自生する野生種であったが、現在では、桜といえば栽培種である染井吉野をさす。
終息も収束もまだ下萌ゆる
コロナウイルスがどうなるか先が見えませんが、枯れ草の下から若草が萌え出て来ます。
しゅうそくも しゅうそくもまだ したもゆる
季語:下萌(したもえ)
早春、去年の枯草に隠れるように草の芽が生え出ること。下萌の「下」は「枯草の下」の意。下萌には、確かな春の訪れと厳しい冬を耐えた生命力が感じられる。
まだ解けぬ外出禁止初桜
ウイルス対策で外出禁止が続く中、桜の開花のニュースが流れてきました。
まだとけぬ がいしゅつきんし はつざくら
季語:初桜(はつざくら)
その年に初めて咲いた桜のこと。初花と同義であるが、初花よりも植物であることに重きが置かれる。
目はショボショボ鼻はグズグズ山笑ふ
春の明るく浮き立つような山からはスギ花粉も飛んできて花粉症の人は大変です。
めはしょぼしょぼ はなはぐずぐず やまわらう
季語:山笑ふ(やまわらう)
草木が芽吹き、花が咲き鳥のさえずる春の山を擬人化して「山笑ふ」という。。
春の月つれてコンビニまで十分
箱根病院から最寄りのコンビニまで徒歩十分だと聞きました。
はるのつきつれて こんびにまで じゅっぷん
季語:春の月(はるのつき)
空気中の水分が増す春は、月も潤んだ感じがする。月といえば秋の月をさすので、春の一字を加えて春季とする。
放射能もウイルスもまだ遠霞
東日本大震災から九年まだ放射能の除染も終わらぬうちに、新型コロナウイルスが発生しその終息も先が見えない状況でも、穏やかな春の景色です。
ほうしゃのうも ういるすもまだ とおがすみ
季語:遠霞(とおがすみ)
春の山野に立ち込める水蒸気で遠くの山々に靄(もや)がかかり、ぼんやりと見える。
朝寝して六十五歳の誕生日
うつらうつらとして気がつけば六十五歳の誕生日。感謝、感謝です。
あさねして ろくじゅうごさいの たんじょうび
季語:朝寝(あさね)
春は寝心地がよく、たとえ十分な睡眠をとっていても、いつまでもうつらうつらと温かい寝床にくるまっていたいもの。
換気して手洗いうがい雛納め
食堂に飾ってあった雛人形が今日はもう片付けてありました。まだ収まらないコロナウイルス。
かんきして てあらいうがい ひなおさめ
季語:雛納め(ひなおさめ)
雛祭の終わった後、雛人形をしまうこと。
早川の川底あらわ春疾風
小田原病院へ眼科受診に行ったときに見た早川は細々とした流れでした。
はやかわの かわぞこあらわ はるはやて
季語:春疾風(はるはやて)
春の烈風のこと。冬の西高東低の気圧配置がくずれ、低気圧が東海上に抜けるにともなって荒れた天気となり、ときには嵐となる。