2022年4月11日月曜日

逃水のむかふに父と母のかほ

逃水のむかふに父と母のかほ

晴れた日の道の遠くに水が流れているようで何もない。
にげみずの むこうにちちと ははのかお
季語:逃水(にげみず)
よく晴れた日の熱せられたアスファルト路面に、水溜りができたように見える蜃気楼現象。地表近くの気温が非常に高くなり、空気の上下層に密度の濃淡が生じるため、光が屈折して起こる。古来、武蔵野の逃げ水が有名で、歌にも詠まれた。「地鏡」「擬水」とも呼ばれる。 

2 件のコメント:

  1. 弘君の繊細な気持ちに触れたような気がして、心に沁みる句でした。いつも見守っていて欲しい、ある時には助けを求める気持ち・・・そういった気持ちが感じられました。叔父さん叔母さんも空の向こうで弘君を見守りながら、何もしてあげられないもどかしさを感じているのではないかと想像しました。

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    1. ニュースで「今日は暑くなりました。道路には逃水が見えます。」のアナウンスに、逃水の向こうに父と母がこちらを見て立っているような気がしました。十二日は父の忌十五日は母の誕生日でした。

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