2025年5月28日水曜日

青蔦や聞くともなしに聞くラジオ

青蔦や聞くともなしに聞くラジオ

誰もいないリハビリ室にラジオが流れている、蔦の緑が濃い。
 あおつたや きくともなしに きくらじお
季語:青蔦(あおつた)
蔦はブドウ科の落葉蔓性の木で、山野に自生する。大木や崖または家の壁などをおおって茂る。夏の滴るような蔦の緑は涼しげでる。秋の紅葉した様も美しい。

2 件のコメント:

  1. 「青蔦や」歴史ある病院の壁に絡まる蔦を連想しました。外の日射しは濃くても、室内は緑陰のような涼しさ。人気の無い部屋にラジオが流れている。何かを待っている受動的な短い時間を切り取った句だと思いました。とても好きな句です。

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    1. リハビリ室に入ると誰もいない部屋にラジオが流れている。わざわざ消す必要もなかろうと、聞くともなしに聞きながら、窓から見える蔦の緑が濃くなっていることに気がついた。リハビリの効果は遅々としているのに、蔦は日ごとに成長してゆく。敗北感があります。

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