2025年9月22日月曜日

病む子思う母と母思う子や秋の暮

病む子思う母と母思う子や秋の暮

入院している子供を見舞う母親の様子に二十年前の母と吾を想う。
 やむこおもうははと ははおもうこや あきのくれ
季語:秋の暮(あきのくれ)
秋の一日の夕暮れという意味と、秋という季節の終わりという意味がある。古来より二つの意味で使われてきたが、二つの意味が相互に響きあう場合も少なくない。<さびしさはその色としもなかりけり真木立つ山の秋の夕暮> 寂蓮『新古今集』、<心なき身にもあはれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮>西行『新古今集』<見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮>藤原定家『新古今集』などと古くから歌われ、「もののあはれ」「寂しさ」象徴する季語となった。

2 件のコメント:

  1. 涙を誘う句です。「病む子思う母」「母思う子」誰でもその気持ちを想像出来ます。そして同じ立場になったことがある人は自分に重ねるでしょう。「秋の暮」の季語が寂しい気持ちに一層拍車を掛けます。TV番組でサンドウィッチマンが出演する「病院ラジオ」を思い出しました。生きることは辛いことがいっぱいあるけれど、しかし生きることは素晴らしい。人が人を思いやる気持ちは美しい。そう感じました。

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    1. 隣の患者さんのお見舞いにきたお母さんが、その様子を見て世話を初めたところへ看護師さんが来て、「感染対策中なので面会のときはマスクをして、患者さんには素手で触れないようにしてください」と話すと、お母さんが強い口調で「それならしっかり介護してください!親は心配なんですよ!」と看護師さんに訴える声は心に響きました。

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