2025年9月28日日曜日

物言えぬ唇寒き秋の風

物言えぬ唇寒き秋の風

松尾芭蕉の「物言えば唇寒し秋の風」を本歌取りした一句です。
 ものいえぬ くちびるさむき あきのかぜ
季語:秋の風(あきのかぜ)
秋になって吹く風。立秋のころ吹く秋風は秋の訪れを知らせる風である。秋の進行とともに風の吹き方も変化し、初秋には残暑をともなって吹き、しだいに爽やかになり、晩秋には冷気をともなって蕭条と吹く。秋が五行説の金行にあたるので「金風」、また、秋の色が白にあたるので「白風」ともいう。

2 件のコメント:

  1. 「物言えぬ」が辛いですね。弘君が気管切開の手術を受けてから、もう20年ですね。確か牧之原市誕生の年でした。今年は牧之原市誕生20周年、NHK大河ドラマ「べらぼう」で相良領主田沼意次が脚光を浴びる一方、竜巻による大きな災害が起き、悲喜こもごもの年になりました。「唇寒き」は「物言えぬ」と「秋の風」の両方に掛かっているのですね。悲しさが伝わる句でした。

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    1. 芭蕉は「不用意な発言をして後悔したり、他人の欠点を言ったり自慢をしたりした後に、寂しい気持ちになる」様子を詠みましたが、私は二十年前に声を失い物を言うことができなくなりました。二十年の間に話せないことの寂しさをなだめてきましたが、時折どうしようもない寂しさに落ち込むことがあります。

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