2020年12月30日水曜日

感染カレンダーと化したる古暦

感染カレンダーと化したる古暦

今年もあと二日、思い返してみれば、新型コロナの感染が増え続けた一年でした。
かんせんかれんだーと かしたる ふるごよみ
季語:古暦(ふるごよみ)
正確には年が終り古くなった暦の事をいうが、一般的には、年内に新しい暦と取替え、数日を残した暦をさす。今年もあと幾日で終るのだと実感させられる。

2020年12月28日月曜日

伸し餅:年の瀬に

伸し餅をペタペタさわり叱られる

年の瀬になると思い出す。子供の頃、叱られるとわかっていながら伸し餅をペタペタさわって叱られました。正真正銘のもち肌。
のしもちを ぺたぺたさわり しかられる
季語:伸し餅(のしもち)
ついた餅を平たく伸ばしたもの。切り餅にする。日が立つにつれ、ひびが入ったり、黴が生じたりする。

2020年12月25日金曜日

クリスマス:いつもとは違う

ナースコールは右の手の中クリスマス

今年はコロナ感染の収束を祈るクリスマスになりました。いつものように右手にナースコールを確かめるクリスマスです。
なーすこーるは みぎのてのなか くりすます
季語:クリスマス(くりすます)
十二月二十五日はキリストの降誕祭。キリスト教になじみの薄いわが国においても、クリスマスツリーを飾るなど、この時期、街はクリスマス一色になる。

2020年12月24日木曜日

恋:テレビドラマ

もう一度あたためますか冬の恋
もう二度とさめないように冬の恋
三度目の恋はホワイトクリスマス

ふと目にしたテレビドラマの最終回の予告から浮かんだ三句。
季語:冬、クリスマス

2020年12月22日火曜日

冬至:久しぶりの朝日

病室に朝日射し込む冬至かな

窓は北向き、日が昇ってくる位置と角度の微妙な違いで数日前から朝日が差し込みます。
びょうしつに あさひさしこむ とうじかな
季語:冬至(とうじ)
二十四節の一つで太陽が最も南行し、一年中で昼が最も短く、夜が長い日。十二月二十二日頃にあたる。無病息災を祈って柚子風呂に入ったり、粥や南瓜を食したりする。 

2020年12月19日土曜日

寒さ:身震い

寒さばかりじゃない夜も昼もない

拡大する第三波のコロナ感染、予想もできない大雪や地震、身震いすることばかり。
さむさばかりじゃない よるもひるもない
季語:寒さ(さむさ)
体感で寒く感じること、と同時に感覚的に寒く感じることもいう。心理的に身がすくむような場合にも用いる。

2020年12月16日水曜日

葛湯:温まる

とろとろと葛湯の湯気の眠気かな

今朝は寒気が流れ込んで冷え込みました。こんな日は熱々の葛湯で温まりたくなります。
とろとろと くずゆのゆげの ねむけかな
季語:葛湯(くずゆ)
葛粉に砂糖を入れ少量の水で溶き、熱湯を注いで混ぜたもの。体が温まるので冬によく食する。幼児や病人にも良い。

2020年12月13日日曜日

冬紅葉:色とりどりの

背を起こし見るテーブルの冬紅葉

ある日、散歩から戻った母がテーブルに紅葉の葉を並べました。色鮮やかな葉や少し枯れ色の葉、しっとりした葉やカサカサの葉。そして母の頬も紅葉色でした。
せをおこし みるてーぶるの ふゆもみじ
季語:冬紅葉(ふゆもみじ)
周辺が枯れを深めるなかの紅葉であり、また、冬になってから色が際立ってくる庭園や寺社などの紅葉でもある。

2020年12月10日木曜日

冬青空:澄みきった空

迷ったら見上げてごらん冬青空

青空も冬と秋とでは印象が違うなあと思います。悩んだり迷ったりしたとき、気持ちを整理できるような気がします。
まよったら みあげてごらん ふゆあおぞら
季語:冬青空(ふゆあおぞら)
冬の空は曇りの日はうつうつと寒々しいが、晴れた日には青く澄みきって美しい。

2020年12月7日月曜日

流れ星:玉手箱

はやぶさが落としてゆきし流れ星

小惑星から運んできたカプセルから何が出てくるのか、何がわかるのか、四十六億年という時間へのロマン。
はやぶさが おとしてゆきし ながれぼし
季語:流れ星(ながれぼし)
宇宙の塵が大気中に入り込んで摩擦熱で発光するもの。人工の光のない高原などでは、降るように次々に星が流れる。

2020年12月4日金曜日

枯芒:窓辺の芒が

枯れかけて芒刈られてしまいけり

秋の日に輝いていた窓辺の芒が枯れはじめたら刈られてしまいました。楽しみが一つなくなってしまった。
かれかけて すすきかられて しまいけり
季語:枯芒(かれすすき)
枯れ尽くした芒。葉も穂も枯れ果て、茎の部分が風に揺れる姿は寂寥感の極み。枯れ尽くした芒も野原一面に群れると美しくもある。雪や風の中に見るのも風情がひとしお。芒は秋の季語。 

2020年12月2日水曜日

十二月:コロナの一年

流行語は「3密」です十二月

今年の新語流行語大賞はコロナ関連の言葉だろうと思っていましたが「3密」でしたか。
りゅうこうごは さんみつです じゅうにがつ
季語:十二月(じゅうにがつ)
陽暦の十二月。一年の最終月である。新年を迎える準備など何かと済ませるべきことが多く、あわただしさを感じさせる月である。