2024年11月6日水曜日

行く秋や残されてゆく吾一人

行く秋や残されてゆく吾一人

過ぎ去ろうとしてゆく秋をベッドの上から思ってゆくだけの寂しさ。
 ゆくあきや のこされてゆく われひとり
季語:行く(ゆくあき
過ぎさってゆく秋のこと。秋から冬へと移ろい行くさま。「行く春」と違って寂寥感に満ちており、秋を惜しむ気持ちが深く現れた季語である。移ろい行く季節を、旅人になぞらえて「行く」と形容するが、春と秋だけのもので、「行く夏」「行く冬」とはいわない。

4 件のコメント:

  1. 寂しさが伝わってきました。人との別れでなく、秋との別れですが、俳人にとって季節の移り変わりは、それ程大切なものなのだと思いました。
    最初は「吾残されて」「ゆくベッド」と読んでしまい、部屋替えで先にベッドが移動したのかと勘違いしてしまいました。

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    1. 原句「秋行くや吾残されてゆくベッド」ではわかりにくさを感じて推敲してみました。すぎてゆくあきを、じっと眺めてゆくだけの自分は、やがて冬の人となってゆくしかない寂しさに包まれます。

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  2. 推敲後の方が意味が良く分かるし情感が深まっていると思いました。「残されてゆく」は「行く秋」と韻を踏んでいると思いますが、「残されて居る」にすれば、秋と自分との対比が分かりやすいような気がするのですがいかがでしょうか。

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    1. もともとの考えは、秋が「行く」と自分は残されて「ゆく」この韻を踏みたくて、過ぎてゆく秋と、残される吾、の対比を際立たせるために、あえて「残されている」ではなくて「残されてゆく」としましたが、悩みますね。

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