2022年8月31日水曜日

ゆく雲や法師蝉まだ鳴いており

ゆく雲や法師蝉まだ鳴いており

つくつく法師を聞きながら流れてゆく雲を眺めていた。
ゆくくもや ほうしせみ まだないており
季語:法師蝉(ほうしぜみ)
確かにツクツクホーシツクツクホーシと聞こえてくる。うまい名をつけたものである。鳴き声を聞いていると一段と秋が深まり行くようである。蜩よりもこちらが長生き。寒蝉ともいう。

2022年8月30日火曜日

いざ百足たじろぐ男討つ女

いざ百足たじろぐ男討つ女

百足に限らず虫が苦手な人と平気な人がいるようです。
いざむかで たじろぐおとこ うつおんな
季語:百足(むかで)
ゲジ類を除いた節足動物の総称。体長は五、六センチで、扁平な細長い体をしている。足の数が多く、動きが早い。毒腺を持ち、毒を用いて昆虫などを捕食する。

2022年8月29日月曜日

冬瓜汁舌が驚く熱さかな

冬瓜汁舌が驚く熱さかな

冬瓜汁を一口その熱さに舌が驚いて、はふはふはふ。
とうがんじる したがおどろく あつさかな
季語:冬瓜(とうがん)
熱帯アジア原産のウリ科の一年草。果実は淡緑色、楕円形でとても大きい。熟して淡緑色の外皮が白いろう質におおわれた頃に収穫する。長い貯蔵に耐え、半年ほどももつという。煮食、葛あんかけ、汁の実などにして食べる。白い果肉は煮ると透きとおって涼しげ。淡泊な味わいで、独特の食感がある。

2022年8月28日日曜日

カーテンの寄せたる影の秋めきぬ

カーテンの寄せたる影の秋めきぬ

カーテンを開けても曇り日で涼しさを感じる一日でした。
かーてんの のせたるかげの あきめきゆ
季語:秋めく(あきめく)
周辺の景色や空気が秋らしくなってくることを言う。目や耳や肌で秋の訪れを感じ取った感慨がこの季語の本意である。

2022年8月27日土曜日

哀楽のいつもうらはら秋の風

哀楽のいつもうらはら秋の風

夏休みも後わずか季節は夏から秋へ移ろってゆく頃です。
あいらくの いつもうらはら あきのかぜ
季語:秋の風(あきのかぜ)
秋になって吹く風。立秋のころ吹く秋風は秋の訪れを知らせる風である。秋の進行とともに風の吹き方も変化し、初秋には残暑をともなって吹き、しだいに爽やかになり、晩秋には冷気をともなって蕭条と吹く。秋が五行説の金行にあたるので「金風」、また、秋の色が白にあたるので「白風」ともいう。

2022年8月26日金曜日

割り算の余りのように汗が出る

割り算の余りのように汗が出る

夏休みの算数ドリルの苦手な割り算を汗をかきながら。
わりざんの あまりのように あせがでる
季語:汗(あせ)
皮膚にある汗腺から出る分泌物。暑いと盛んに出て皮膚を濡らすが、風が吹くと、汗が体温を下げので涼しい。


2022年8月25日木曜日

法師蝉煩悩多き男かな

法師蝉煩悩多き男かな

つくつく法師は鳴いているのはオスだけだとは知りませんでした。
ほうしぜみ ぼんのうおおき おとこかな
季語:法師蝉(ほうしぜみ)
確かにツクツクホーシツクツクホーシと聞こえてくる。うまい名をつけたものである。鳴き声を聞いていると一段と秋が深まり行くようである。蜩よりもこちらが長生き。寒蝉ともいう。

2022年8月24日水曜日

透明のサングラス掛け百日紅

透明のサングラス掛け百日紅

散歩の帰り駐車場の向こうに百日紅が咲いているのが見えました。
とうめいの さんぐらすかけ さるすべり
季語:百日紅(さるすべり)
梅雨明けごろから九月末まで咲き続ける木の花。「百日紅(ひゃくじつこう)」の名は、百日ものあいだ咲きつづけることに由来する。花の色は紅のほかに白、紫もある。樹幹の肌が滑らかで、「猿も滑る」ところからこの名がある。

2022年8月23日火曜日

熱戦の終わりて残る暑さかな

熱戦の終わりて残る暑さかな

熱戦が続いた高校野球が終わりましたが残暑はまだ続きそうです。
ねっせんの おわりてのこる あつさかな
季語:残る暑さ(のこるあつさ)
立秋を過ぎた後の暑さ。例年、八月いっぱいくらいは暑い日がつづく。いったん涼しくなった後で、暑さがぶり返すこともある。

2022年8月22日月曜日

秋暑し遂に越ゆ白河の関

秋暑し遂に越ゆ白河の関

夏の甲子園は仙台育英高が優勝し初めて白河の関を越えました。
あきあつし ついにこゆ しらかわのせき
季語:秋暑し(あきあつし)
立秋を過ぎた後の暑さ。例年、八月いっぱいくらいは暑い日がつづく。いったん涼しくなった後で、暑さがぶり返すこともある。

2022年8月21日日曜日

呼吸器の管の水滴夜の秋

呼吸器の管の水滴夜の秋

部屋の温度の変化で呼吸器の管に水が溜まって零れて冷やり。
こきゅうきの くだのすいてき よるのあき
季語:夜の秋(よるのあき)
夏の終り頃、夜になると涼しく何となく秋めいた感じのすることが
ある。立秋も近く去りゆく夏に一抹の寂しさを感じたりする。

2022年8月20日土曜日

夏休み八回終わり無得点

夏休み八回終わり無得点

手つかずの夏休みの宿題を横目に野球を見ていた。
なつやすみ はちかいおわり むとくてん
季語:夏休み(なつやすみ)
夏季の長期休暇のこと。多く学校では七月下旬から八月末まで、会社では一週間ほどお盆前後に取る。旅行や帰省など、家族や友人で過ごす楽しさが本意である。

2022年8月19日金曜日

リハビリの側臥位の背や涼新た

リハビリの側臥位の背や涼新た

横向きで受けたリハビリの背中が涼しくて呼吸も楽でした。
りはびりの そくがいのせや りょうあらた
季語:涼新た(りょうあらた)
秋に入ってから感じる涼しさのこと。「涼し」だけでは、夏の季語となる。夏の暑さの中で感じられる涼しさではなく、「涼しく過ごしやすい季節」になってきたことをいう。

2022年8月18日木曜日

向日葵の後のその後ひまわりの

向日葵の後のその後ひまわりの

映画「ひまわり」のプロローグとエピローグの一面の向日葵。
ひまわりの のちのそののち ひまわりの
季語:向日葵(ひまわり)
向日葵は太陽の花。太陽に向かって花の向きを変えると考えて、この名がついた。夏の象徴の花である。

2022年8月17日水曜日

坂道や帰りは上り法師蝉

坂道や帰りは上り法師蝉

散歩の小道は行きは下り坂帰りは上り坂つくく法師の声の中。
さかみちや かえりはのぼり ほうしぜみ
季語:法師蝉(ほうしぜみ)
確かにツクツクホーシツクツクホーシと聞こえてくる。うまい名をつけたものである。鳴き声を聞いていると一段と秋が深まり行くようである。蜩よりもこちらが長生き。寒蝉ともいう。

2022年8月16日火曜日

核兵器無くせぬ世界残暑なり

核兵器無くせぬ世界残暑なり

核兵器を無くそうとする声はいつになったら実現するのか。
かくへいき なくせぬせかい ざんしょなり
季語:残暑(ざんしょ)
立秋を過ぎた後の暑さ。例年、八月いっぱいくらいは暑い日がつづく。いったん涼しくなった後で、暑さがぶり返すこともある。

2022年8月15日月曜日

芋粥の一口一口終戦日

芋粥の一口一口終戦日

終戦の日の夕食の芋粥と水団、戦争のことを思いつつ。
いもがゆの ひとくちひとくち しゅうせんび
季語:終戦日(しゅうせんび)
八月十五日。昭和二十年のこの日、日本はポツダム宣言を受諾して第二次世界大戦は終了した。戦争の誤ちを反省し、平和の希求を確認する日。各地で戦没者を追悼する催しが行われる。

2022年8月14日日曜日

三つ四つ夜の静寂に秋の雷

三つ四つ夜の静寂に秋の雷

台風一過遠くから雷鳴が聞こえてきます。
みっつよつ よるのしじまに あきのらい
季語:秋の雷(あきのらい)
たんに雷といえば夏の季語であるが、秋にも入道雲が湧いて雷が鳴ったり、寒冷前線の影響で雷雨がもたらされたりする。

2022年8月13日土曜日

消灯す台風のこと案じつつ

消灯す台風のこと案じつつ

台風は御前崎を通過して伊豆半島に上陸しこれからが心配です。
しょうとうす たいふうのこと あんじつつ
季語:台風(たいふう)
北大平洋か南シナ海あたりに発生する熱帯低気圧で、最大風速が約毎秒十七メートル以上のものをいう。二百十日の実りのころに日本を襲い、深甚な被害をもたらすこともしばしばである。

2022年8月12日金曜日

台風やB29も来し御前崎

台風やB29も来し御前崎

台風8号が御前崎へ向かっています。かつてB29が来たように。
たいふうや びーにじゅうくもきし おまえざき
季語:台風(たいふう)
北大平洋か南シナ海あたりに発生する熱帯低気圧で、最大風速が約毎秒十七メートル以上のものをいう。二百十日の実りのころに日本を襲い、深甚な被害をもたらすこともしばしばである。

2022年8月11日木曜日

風入れて胡座し仰ぐ吊忍

風入れて胡座し仰ぐ吊忍

窓開けて風入れて胡座して吊忍を眺める。風流だなぁ。
かぜいれて あぐらしあおぐ つりしのぶ
季語:吊忍(つりしのぶ)
忍はウラボシ科の羊歯植物である。緑が美しく涼しげである。根茎を丸くたばね水苔でおおう。これをしのぶ玉という。風鈴を下げて軒下に吊るし水をやり涼しさを楽しむのである。夏の風物詩として江戸中期より親しまれてきた。

2022年8月10日水曜日

ゴトゴトと行く車椅子草いきれ

ゴトゴトと行く車椅子草いきれ

日盛の夏木立夏草の中を車椅子散歩楽しかったです。お疲れさま。
ごとごとと ゆくくるまいす くさいきれ
季語:草いきれ(つさいきれ)
夏草のむっとする匂いのこと。「いきれ」とは、蒸れてほてること。

2022年8月9日火曜日

危うげな核の傘より白日傘

危うげな核の傘より白日傘

核兵器に反対しながら同盟国の核兵器の傘の中という矛盾。
あやうげな かくのかさより しろひがさ
季語:白日傘(しろひがさ)
夏の強い日差しを防ぐための傘。主に女性が用いる。江戸時代の日傘は、竹の骨に紙を張っただけのもの。雨用とは違い、油や渋は塗らなかった。最近では白ばかりではなく、黒い色のものも目にする。

2022年8月8日月曜日

芙蓉咲く回覧板を隣まで

芙蓉咲く回覧板を隣まで

回覧板を回しに外に出るとお向かいの庭に芙蓉が咲いていました。
ふようさく かいらんばんを となりまで
季語:芙蓉(ふよう)
アオイ科の落葉低木。高さは一・五~三メートル。八月から十月 にかけて白、あるいは淡紅色の五弁の花を咲かせるが、夕方には しぼんでしまう。咲き終わると薄緑色の莟のような実ができる。観賞用として庭などに植えられる。

2022年8月7日日曜日

立秋や豆腐に醤油かけて食う

立秋や豆腐に醤油かけて食う

豆腐に醤油をかけただけなのにさっぱりとして美味かった。
りっしゅうや とうふにしょうゆ かけてくう
季語:立秋(りっしゅう)
二十四節気の一つ。文字どおり、秋立つ日であり、四季の節目となる「四立」(立春、立夏、立秋、立冬)の一つ。この日から立冬の前日までが秋である。新暦の八月七日ころにあたる。実際には一年で一番暑いころであるが、朝夕の風音にふと秋の気配を感じるころでもある。

2022年8月6日土曜日

流燈や原爆ドーム元安川

流燈や原爆ドーム元安川

原爆ドームの前の元安川を燈籠がゆっくり流れてゆきます。
りゅうとうや げんばくどーむ もとやすがわ
季語:流燈(りゅうとう)
灯をともした燈籠を川や海に流し、燈籠にのった祖先の霊をあの世へ送る行事。盂蘭盆会の終わる十五日、または十六日の夜に行われる。盆の供物や茄子の馬、魂棚の筵なども一緒に流す。板切れに蝋燭を立てた簡単なものから、箱に仕立てた大型の燈籠までさまざまある。

2022年8月5日金曜日

日盛や洪水跡の乾きつつ

日盛や洪水跡の乾きつつ

洪水の跡に太陽が照りつけるなか、片付けが始まっています。
ひざかりや こうずいあとの かわきつつ
季語:日盛(ひざかり)
夏の一日、最も太陽の強く照りつける正午頃から三時頃までをいう。人間も動物も暑さにじっと耐えるひと時である。

2022年8月4日木曜日

病室で聞く雨音や夏の果

病室で聞く雨音や夏の果

このごろ何故か線状降水帯が頻繁に発生するようになりました。
びょうしつて きくあまおとや なつのはて
季語:夏の果(なつのはて)
夏の終りである。果てる、終る、の語には物悲しい思いがつきまとう。帰省や避暑などが終わり、去り行く夏が惜しまれる。

2022年8月3日水曜日

山滴るサマーライブの最前列

山滴るサマーライブの最前列

水谷さんのサマーミニライブに行ってきました♪♪♪
やましたたる さまーらいぶの さいぜんれつ
季語:山滴る(やましたたる)
夏山を擬人化したもの。夏の青々と緑におおわれた山。新緑にはじまり、青葉の山、梅雨の山、鬱蒼と生い茂る盛夏の山など、その姿は次々と変化する。いずれも万物の生命力に溢れた山である。近代以降は、輝く岩山や雪渓の残る高峰もさす。

2022年8月2日火曜日

明易し夢のそのさき有耶無耶に

明易し夢のそのさき有耶無耶に

夢の途中で夜が明けて寝ぼけ頭の夢のあと。
あけやすし ゆめのそのさき うやむやに
季語:明易し(あけやすし)
夏の夜の明けが早いことをいう。科学現象としては短夜と同じだが、短夜は夜が短いことをいうのに対して、明易は、明け急ぐ夜を嘆く思いが増さる。春分を境に一日一日昼の時間が長くなり、夏至にいたってそれが最長になる。場所にもよるが、早いときで午前四時頃には白々としてくる。農作業などをするによく、早起きが楽しい頃である。

2022年8月1日月曜日

少年や天下御免の夏休み

少年や天下御免の夏休み

夏休みと聞くと子供の頃の楽しかったことが蘇ります。
しょうねんや てんかごめんの なつやすみ
季語:夏休み(なつやすみ)
夏季の長期休暇のこと。多く学校では七月下旬から八月末まで、会社では一週間ほどお盆前後に取る。旅行や帰省など、家族や友人で過ごす楽しさが本意である。