2023年10月31日火曜日

晩秋の出雲ぜんざいの日の暮れる

晩秋の出雲ぜんざいの日の暮れる

十月三十一日は出雲ぜんざいの日なのだそうです。食べたいなぁ。
ばんしゅうの いずもぜんざいのひ くれる
季語:晩秋(ばんしゅう)
秋を初秋、仲秋、晩秋と分けた末の秋を言う。秋も深まり冬が近づく物寂しさがある。

2023年10月30日月曜日

ハワイアン耳にながれる秋日和

ハワイアン耳にながれる秋日和

久しぶりにハワイアンソングを聴いて穏やかな秋の日になりました。
はわいあん みみにながれる あきびより
季語:秋日和(あきびより)
秋のよく晴れた一日をいう。風もなくおだやかなので外で過ごすのも気持ちよい。空気が澄んでいるため視界も広がり、風景などもはっきりと見える。

2023年10月29日日曜日

朝早き眠りを壊し秋の雷

朝早き眠りを壊し秋の雷

早朝の眠りの心地よさを打ち壊す雷鳴に目が覚めてしまいました。
あさはやき ねむりをこわし あきのらい
季語:秋の雷(あきのらい)
たんに雷といえば夏の季語であるが、秋にも入道雲が湧いて雷が鳴ったり、寒冷前線の影響で雷雨がもたらされたりする。

2023年10月28日土曜日

停電の窓にさんさん秋日射

停電の窓にさんさん秋日射

午後の一時から三時まて停電です。窓からは秋晴の日射が燦々と。
ていでんの まどにさんさん あきひざし
季語:秋日射(あきひざし)
秋の日の光であり、秋の一日でもある。秋の太陽は残暑をもたらすが、しだいに爽やかになり、晩秋には目に見えて日差しも衰える。秋の一日は、秋分を過ぎるとしだいに日が短くなり、冬が近づくころには、釣瓶落としいわれるように、一気に暮れてしまう。

2023年10月27日金曜日

末枯や早口ため口苦手なり

末枯や早口ため口苦手なり

万緑の木立も色褪せ葉を落し木の間に空が見え風が吹き抜けます。
うらがれや はやくちためぐち にがてなり
季語:末枯(うらがれ)
木々の枝先や葉の先の方から枯れること。「末」とは、「先端」の意。秋から冬へと季節が変わりつつあることを感じさせてくれる。

2023年10月26日木曜日

日替わりの今日は男湯薄紅葉

日替わりの今日は男湯薄紅葉

今年は猛暑の影響か紅葉の色付きが遅れて枯れ色の葉も多いです。
ひがわりの きょうはおとこゆ うすもみじ
季語:薄紅葉(うすもみじ)
緑の残る淡い色の紅葉をいう。紅葉の走りではあるが、深い紅の冬紅葉などとは違った趣を持つ。

2023年10月25日水曜日

ヘリの音乾いて軽し秋の空

ヘリの音乾いて軽し秋の空

何処からかヘリコプターの飛ぶ音が軽やかに聞こえてきました。
へりのおと かわいてかるし あきのそら
季語:秋の空(あきのそら)
澄みきった空をいう。秋は雨に見舞われることも多いが、その後、大陸からの移動性高気圧おおわれてからりと晴れあがり、爽やかな空となる。

2023年10月24日火曜日

朝寒し風呂は明日になると言う

朝寒し風呂は明日になると言う

朝、今日の風呂が明日になりますと言われ、え~聞いてないけど。
あささむし ふろはあしたに なるという
季語:朝寒し(あささむし)
晩秋、朝のうちだけ、ひやりと寒さを感じる。その寒さは昼近くなると消えてしまう。「寒き朝」「今朝寒し」は冬である。

2023年10月23日月曜日

爽やかにカニューレ交換の朝よ

爽やかにカニューレ交換の朝よ

月に一度の喉のカニューレ交換がすんなり済んで爽やかな朝です。
さわやかに かにゅーれこうかんの あさよ
季語:爽やか(さわやか)
爽やかとは、もともとはさらりと乾いた秋風が吹くことをいう。次にその風に包まれるときの感じをいうようになり、さらに秋のここちよい気分をいうようになった。

2023年10月22日日曜日

秋深しふるさと遠し七回忌

秋深しふるさと遠し七回忌

秋晴れて母と伯母の七回忌に病院のベットの上から思いを届けます。
あきふかし ふるさととおし しちかいき
季語:秋深し(あきふかし)
秋の深まるころ、季節としては晩秋(十月)、もの淋しさの漂うころのことをいうが、多分に心理的な言葉でもある。

2023年10月21日土曜日

手水舎に並ぶ柄杓や秋時雨

手水舎に並ぶ柄杓や秋時雨

秋の夜、雨模様の出雲大社の写真日記を見ていて浮かんだ一句です。
ちょうずしゃに ならぶひしゃくや あきしぐれ
季語:秋時雨(あきしぐれ)
秋も終わりの頃に、降ってはすぐにやむ雨のことで、どこか侘し い感じを残す。『古今集』以来用いられている。時雨は冬。

2023年10月20日金曜日

うすらなる富士の初雪そらのあお

うすらなる富士の初雪そらのあお

今月5日に初冠雪したあと薄れては降り積もり秋晴の空に浮かぶ。
うすらなる ふじのはつゆき そらのあお
季語:富士の初雪(ふじのはつゆき)
富士に初雪が降るのは、九月下旬のころ。秋晴の空に初冠雪の美しい富士が浮かび上がる。

2023年10月19日木曜日

しなやかな猫のしっぽやねこじゃらし

しなやかな猫のしっぽやねこじゃらし

風に揺れるねこじゃらしは猫の尻尾のようにしなやかです。
しなやかな ねこのしっぽや ねこじゃらし
季語:ねこじゃらし(ねこじゃらし)
イネ科の多年草。全国どこにでもみられるイネ科の植物で、細い 茎の先端につく長い毛のあるふさふさとした穂が、小犬の尾のよ うだというので名がついた。ねこじゃらしともいう。晩秋になる と葉も紅葉して美しい。

2023年10月18日水曜日

秋風よ聞かせてよ父母のこゑ

秋風よ聞かせてよ父母のこゑ

涼やかな風と暖かな日を浴びて父と母のことを思い出しました。
あきかぜよ きかせてよ ちちははのこえ
季語:秋風(あきかぜ)
秋になって吹く風。立秋のころ吹く秋風は秋の訪れを知らせる風である。秋の進行とともに風の吹き方も変化し、初秋には残暑をともなって吹き、しだいに爽やかになり、晩秋には冷気をともなって蕭条と吹く。秋が五行説の金行にあたるので「金風」、また、秋の色が白にあたるので「白風」ともいう。

2023年10月17日火曜日

人肌の一口のお茶秋の宵

人肌の一口のお茶秋の宵

日が暮れると肌寒くなり人肌の燗酒が恋しくなりますが、お茶で。
ひとはだの ひとくちのおちゃ あきのよい
季語:秋の宵(あきのよい)
秋、日が暮れてまだ間もないころ。静かで落ち着いた雰囲気ながら、いくらか寂しくもある。

2023年10月16日月曜日

嘴太鴉鳴く真昼の秋晴

嘴太鴉鳴く真昼の秋晴

秋晴の空からハシブトガラスの澄んだ声が聞こえてきます。
はしぶとがらす なく まひるのあきばれ
季語:秋晴(あきばれ)
晴れわたる秋の天気のこと。秋日和と同じことであるが、秋晴は秋日和より言葉の響きがやや強い。

2023年10月15日日曜日

蜻蛉とまれば枝になりきる軽さ

蜻蛉とまれば枝になりきる軽さ

トンボが飛んできて枝の先にスッと止まる身の軽さに憧れます。
とんぼとまれば えだになりきる かるさ
季語:蜻蛉(とんぼ)
鬼やんま、塩辛蜻蛉、蜻蛉釣トンボ目に属する昆虫の総称。あきつ、やんまなどともいう。腹部は細長く円筒状。透明な二対の翅で飛び、大きな複眼を持つ。日本国をさす「あきつしま」は、蜻蛉が尾を咥えあった形に似ているからという故事による。

2023年10月14日土曜日

小鳥来る鉄道記念日の朝

小鳥来る鉄道記念日の朝

朝から窓の外を小鳥が飛び交っています。今日は鉄道記念日です。
ことりくる てつどうきねんびの あした
季語:小鳥来る(ことりくる)
秋、日本に渡って来る鳥や、山地から人里に降りてくる小鳥たちのことをいう。鶸・連雀・尉鶲・花鶏など。

2023年10月13日金曜日

さつまいも煮るなり焼くなり蒸すなり

さつまいも煮るなり焼くなり蒸すなり

さつまいもが美味しい頃になりました。さて焼いてみるか。
さつまいも にるなりやくなり ふかすなり
季語:さつまいも(さつまいも)
ヒルガオ科の一年生作物。中南米原産。十七世紀前半、九州に伝来。種類が多い。初秋から掘り取りがはじまる。紡錘形で紅紫色の塊根は、格別の風味と甘さがあるので、焼いたり、煮たり、蒸かしたりして食されてきた。

2023年10月12日木曜日

配膳のトレイ置かれて秋夕焼

配膳のトレイ置かれて秋夕焼

日の入りが早くなり夕食の時間には夕焼け空になっています。
はいぜんの とれいおかれて あきゆやけ
季語:秋夕焼(あきゆやけ)
ただ「夕焼」と言えば夏の季語である。秋の夕焼は夏の夕焼の強烈な色、暑さとは違い、どこか寂しさを伴なうものである。

2023年10月11日水曜日

天高し詰めの一手は過たず

天高し詰めの一手は過たず

八冠を勝ち取った読みの深さと鋭さには驚きます!
てんたかし つめのいっては あやまたず
季語:天高し(てんたかし)
秋になると、大気が澄むので空が高くなったような感じがする。これが「秋高し」だが、「天高し」の方が一般的。

2023年10月10日火曜日

秋冷や旅終えた寂しさに似て

秋冷や旅終えた寂しさに似て

足早に訪れた涼しさは秋の終わりのような寂しさを感じさせます。
しゅうれいや たびおえた さみしさににて
季語:秋冷(しゅうれい)
秋も終わりに近づき、冬が迫ってくると肌に触れる物や空気をひんやりと感じることがある。この皮膚の感触が冷やか。人のものいいや態度にもいう。これにたいして、冬の季語「寒し」は体全体の感じをいう。

2023年10月9日月曜日

秋時雨モノクロテレビの砂嵐

秋時雨モノクロテレビの砂嵐

1964年の東京オリンピックの開会式の前日まで雨でした。
あきしぐれ ものくろてれびの すなあらし
季語:秋時雨(あきしぐれ)
秋も終わりの頃に、降ってはすぐにやむ雨のことで、どこか侘し い感じを残す。『古今集』以来用いられている。時雨は冬。

2023年10月8日日曜日

長き夜や「星を継ぐもの」読みふける

長き夜や「星を継ぐもの」読みふける

昔、SF小説に凝っていて「星を継ぐもの」が一番面白かった!
ながきよや ほしをつぐもの よみふける
季語:長き夜(ながきよ)
秋の夜の長いことをいう。秋分が過ぎると、昼よりも夜が長くなり気分的にも、夜の長さが身にしみる。残暑もなくなり、夜業や読書にも身が入る。春の「日永」に対応する季語である。

2023年10月7日土曜日

朝霧や目薬ひやり頬つたふ

朝霧や目薬ひやり頬つたふ

朝の目薬が目から溢れて頬を伝い、ゆっくり霧が薄れてゆきます。
あさぎりや めぐすりひやり ほおつたう
季語:朝霧(あさぎり)
秋、細かな水の粒子が白い煙のように立ち込める現象。同じ現象は秋ばかりではなく春にも起こるが、これは霞(春の季語)と呼ぶ。遠くのどかににたなびく「霞」に対して、「霧」は冷やかに立ちこめる。

2023年10月6日金曜日

秋暁や救急搬送されし日よ

秋暁や救急搬送されし日よ

十八年経っても生死の境をさまよった忘れられない日です。
しゅうぎょうや きゅうきゅうはんそう されしひよ
季語:秋暁(しゅうぎょう)
秋の夜明け。日の出が遅くなり、空気が冷たく感じられ澄んでくる。秋の深まった感慨をひとしお誘う時間帯である。

2023年10月5日木曜日

秋日射し右半身を炙り来し

秋日射し右半身を炙り来し

昼過ぎの日が刻々と差し込んで来て右半身は炙られるような。
あきひざし みぎはんしんを あぶりきし
季語:秋日射し(あきひざし)
秋の日の光であり、秋の一日でもある。秋の太陽は残暑をもたらすが、しだいに爽やかになり、晩秋には目に見えて日差しも衰える。秋の一日は、秋分を過ぎるとしだいに日が短くなり、冬が近づくころには、釣瓶落としいわれるように、一気に暮れてしまう。

2023年10月4日水曜日

紅葉の廊下の飾り秋の雨

紅葉の廊下の飾り秋の雨

院内の廊下の飾りは季節ごとに変わり今は紅葉になっています。
こうようの ろうかのかざり あきのあめ
季語:秋の雨(あきのあめ)
秋に降る雨のこと。初秋に降る暑さを和らげる雨、台風がもたらす強く激しい雨、晩秋の冷たい雨といろいろあるが、秋雨前線による秋の長雨が印象深い。春の雨にくらべて寂しい風情がある。

2023年10月3日火曜日

やや寒し日の光にも親しめる

やや寒し日の光にも親しめる

残暑の後の涼しさは肌寒くも感じて日の光も心地よく感じます。
ややさむし ひのひかりにも したしめる    
季語:やや寒(ややさむ)
晩秋の寒さのこと。冬になっての本格的な寒さとは別である。

2023年10月2日月曜日

蝉の声一度も聞かず風は秋

蝉の声一度も聞かず風は秋

今年は一度も蝉の声を聞かないまま十月になってしまいました。
せみのこえ いちどもきかず かぜはあき
季語:風は秋(かぜはあき)
秋になって吹く風。立秋のころ吹く秋風は秋の訪れを知らせる風である。秋の進行とともに風の吹き方も変化し、初秋には残暑をともなって吹き、しだいに爽やかになり、晩秋には冷気をともなって蕭条と吹く。秋が五行説の金行にあたるので「金風」、また、秋の色が白にあたるので「白風」ともいう。

2023年10月1日日曜日

十月や吾の十指は開かざる

十月や吾の十指は開かざる

指が動きづらくなるにつれて筋力の衰えをひしひしと感じます。
じゅうがつや われのじっしは ひらかざる
季語:十月(じゅうがつ)
暑くもなく寒くもなく過ごしやすい月である。天候は変わりやすいが、晴れれば空気が澄んで気持ちよい。紅葉狩りや運動会などが盛んに行われる月である。