2021年11月30日火曜日

成り行きのままに十一月も果つ

成り行きのままに十一月も果つ

様々なニュースが報じられ忘れられ日々が過ぎてゆきます。
なりゆきのままに じゅういちがつも はつ
季語:十一月(じゅういちがつ)
陽暦十一月で霜月をいう。立冬(十一月八日頃)を迎えるが、まだ寒くはなく、空も野山も澄みとおる頃である。暖かな日和が続くかと思えば、ときに時雨たり稀に霜の降る日もある。

2021年11月29日月曜日

暮れかかり紅のこる冬もみじ

暮れかかり紅のこる冬もみじ

夕空の紅色が薄れきて冬の紅葉に残っています。
くれかかり くれないのこる ふゆもみじ
季語:冬紅葉(ふゆもみじ)
周辺が枯れを深めるなかの紅葉であり、また、冬になってから色が際立ってくる庭園や寺社などの紅葉でもある。

2021年11月28日日曜日

網膜に穴あきそうや冬日差

網膜に穴あきそうや冬日差

午後になり窓から鋭い太陽の光が真っ直ぐ射してきます。
 もうまくに あなあきそうや ふゆひざし
季語:冬日差(ふゆひざし)
冬の一日と冬の太陽の両方の意味で使われる。歳時記によっては「冬の日」「冬日」と別立てのものもある。冬は日照時間が短く、すぐに暮れてしまう。それだけに昼間の日差しをいっぱいに浴びたいという思いがこもる。

2021年11月27日土曜日

白息や九回裏の一点差

白息や九回裏の一点差

日本シリーズは六試合とも白熱した僅差のゲームでした。
しらいきや きゅうかいうらの いってんさ
季語:白息(しらいき)
冬、気温が低くなる時間帯になると、吐く息に含まれる水蒸 気が冷やされて、白く見えること。

2021年11月26日金曜日

小春日や二の腕まくり風呂係

小春日や二の腕まくり風呂係

今日はいい風呂の日。風呂担当のスタッフは汗だく。
こはるびや にのうでまくり ふろがかり 
季語:小春日(こはるび)
陰暦十月の異称である。まだ本格的な冬とはならず暖かい日和が春先の陽気を思わせるが、春とは区別して「小春」という。

2021年11月25日木曜日

散り急ぐ木の葉踏まれぬように散れ

散り急ぐ木の葉踏まれぬように散れ

風に木の葉が散ってゆく、道の真ん中へは落ちないように。
ちりいそぐこのは ふまれぬように ちれ
季語:木の葉(このは)
地面に落ちてしまった葉、あるいは梢にわずかに残っている枯葉をいう。木の葉が散るさまやその音には哀愁が漂う。

2021年11月24日水曜日

急かされる十一月のカレンダー

急かされる十一月のカレンダー

来週はもう十二月!何となく急かされる気がします。
せかされる じゅういちがつの かれんだー
季語:十一月(じゅういちがつ)
陽暦十一月で霜月をいう。立冬(十一月八日頃)を迎えるが、まだ寒くはなく、空も野山も澄みとおる頃である。暖かな日和が続くかと思えば、ときに時雨たり稀に霜の降る日もある。

2021年11月23日火曜日

自動ドア律儀に勤労感謝の日

自動ドア律儀に勤労感謝の日

年がら年中開いては閉まって、自動ドアにも感謝の日。
俳じどうどあ りちぎに きんろうかんしゃのひ
季語:勤労感謝の日(きんろうかんしゃのひ)
十一月二十三日。働くことを喜び働く人に感謝する国民の祝日である。

2021年11月22日月曜日

まなうらにうかぶふるさと夕時雨

まなうらにうかぶふるさと夕時雨

雨の交差点を行き交う人々を見て、ふと思い出すふるさと。
まなうらに うかぶふるさと ゆうしぐれ
季語:夕時雨(ゆうしぐれ)
冬の初めの夕方、降ったかと思うと晴れ、また降りだし、短時間で目まぐるしく変わる通り雨。この雨が徐々に自然界の色を消して行く。

2021年11月21日日曜日

神の留守ひとつ点らぬ街路灯

神の留守ひとつ点らぬ街路灯

昔の街灯は点け忘れたり切れたりしたことがありました。
かみのるす ひとつともらぬ がいろとう
季語:神の留守(かみのるす)
陰暦十月は神無月と呼ばれ、全国の八百万の神様がこぞって出雲大社に集まる。神が留守となった神社の氏子たちは不安を覚え、恵比寿様などを留守神として祀る。信心の厚さゆえか、「神の旅」「神送」「神迎」、神が集まる出雲は逆に「神在祭」など類似の季語も多い。 

2021年11月20日土曜日

体位交換するや冷たし膝頭

体位交換するや冷たし膝頭

朝一の体位交換のあと膝頭だけがなかなか暖かくならない。
たいいこうかん するやつめたし ひざがしら
季語:冷たし(つめたし)
冬の寒さをあらわすが、冷たしは局所的、触覚的な場面で使はれることが多い。

2021年11月19日金曜日

影踏みの終れば帰る冬満月

影踏みの終れば帰る冬満月

89年ふりの、ほぼ皆既月食って部分月食じゃないの?
かげふみの おわればかえる ふゆまんげつ
季語:冬満月(ふゆまんげつ)
冬の満月。ただ満月といえば秋の月をさすが、冬は空が澄み、月の光が冴え冴えと降り注ぐ

2021年11月18日木曜日

野良猫があちらこちらに蔦紅葉

野良猫があちらこちらに蔦紅葉

蔦紅葉はちらほらでしたが、猫はあちらこちらにいました。
のらねこが あちらこちらに つたもみじ
季語:蔦紅葉(つたもみじ)
蔓性で物にどんどん這い回る。山野に自生するが、街なかの外壁や石垣などにも見ることが出来る。晩秋には紅葉して木や建物を赤々と染め上げる。

2021年11月17日水曜日

冬めくや奉安殿の古りし錠

冬めくや奉安殿の古りし錠

戦中に奉安殿として使われていた建物がありました。
ふゆめくや ほうあんでんの ふりしじょう
季語:冬めく(ふゆめく)
町のたたずまいや山野の眺めばかりでなく、雨や風、空気なども冬らしくなること。人の何気ないしぐさなどにも冬の訪れを感じることがある。

2021年11月16日火曜日

カーテンの端より忍び寄る寒さ

カーテンの端より忍び寄る寒さ

夜明け前ふと寒さに目が覚めるようになってきました。
かーてんの はしよりしのびよる さむさ
季語:寒さ(さむさ)
体感で寒く感じること、と同時に感覚的に寒く感じることもいう。心理的に身がすくむような場合にも用いる。

2021年11月15日月曜日

冬日射す点眼薬の透きとほる

冬日射す点眼薬の透きとほる

一日六回の目薬のつい忘れがちな昼の目薬。
ふゆひさす てんがんやくの すきとおる
季語:冬日(ふゆひ)
冬の太陽や日射。もしくは冬の一日のことをいう。太陽をさす場合は冬日という言い方もある。


2021年11月14日日曜日

トーストにバター冬日を百グラム

トーストにバター冬日を百グラム

何年も食べてないトーストと目玉焼き。
とーすとにばたー ふゆひを ひゃくぐらむ
季語:冬日(ふゆひ)
冬の一日と冬の太陽の両方の意味で使われる。歳時記によっては「冬の日」「冬日」と別立てのものもある。冬は日照時間が短く、すぐに暮れてしまう。それだけに昼間の日差しをいっぱいに浴びたいという思いがこもる。

2021年11月13日土曜日

何もせぬ時間の長さ日短し

何もせぬ時間の長さ日短し

何事もなく過ぎる一日の幸せと一日を無為に過ごした反省。
なにもせぬ じかんのながさ ひみじかし
季語:日短し(ひみじかし)
冬の日の短いことをいう。秋分以降、十一月、十二月と日暮は早くなり、冬至は最も日中の時間が短くなる。

2021年11月12日金曜日

暮早し廊下を回る配膳車

暮早し廊下を回る配膳車

同じ配膳の時間ですが、とっぷり暮れるようになりました。
くれはやし ろうかをまわる はいぜんしゃ
季語:暮早し(くれはやし)
冬の日の短いことをいう。秋分以降、十一月、十二月と日暮は早くなり、冬至は最も日中の時間が短くなる。

2021年11月11日木曜日

ナースコールうっかり鳴らす浅き冬

ナースコールうっかり鳴らす浅き冬

寝入りばな無意識にナースコールを押してしまった。
なーすこーる うっかりならす あさきふゆ
季語:浅き冬(あさきふゆ)
冬に入ったばかりの頃をいう。街路樹の落葉が始まり、しぐれたかと思えば小春日和もある。まだそんなに寒くないころである。

2021年11月10日水曜日

小春日やセラピー犬の瞳のつぶら

小春日やセラピー犬の瞳のつぶら

三年前にも来てくれたセラピー犬はやさしい瞳でした。
こはるびや せらぴーけんの めのつぶら
季語:小春日(こはるび)
陰暦十月の異称である。まだ本格的な冬とはならず暖かい日和が春先の陽気を思わせるが、春とは区別して「小春」という。冬囲いに精を出したり、越冬野菜を取り入れたり、大根や柿を吊るし干にしたり、本格的な冬に備えるころの日和である。



2021年11月9日火曜日

冬浅し手足の爪のひっかかる

冬浅し手足の爪のひっかかる

爪が伸びてきているのは気が付いていますが切る暇がない。
ふゆあさし てあしのつめの ひっかかる
季語:冬浅し(ふゆあさし)
冬に入ったばかりの頃をいう。街路樹の落葉が始まり、しぐれたかと思えば小春日和もある。まだそんなに寒くないころである。

2021年11月8日月曜日

吾がベッド冬の銀河を巡る船

吾がベッド冬の銀河を巡る船

病室の天井でプラネタリウム。星座を巡る夢の時間でした。
わがべっど ふゆのぎんがを めぐるふj
季語:冬銀河(ふゆぎんが)
冬の夜空にかかる天の川のこと。冴え冴えとした趣がある。秋の天の川と違っていくらか明るさが弱い。



2021年11月7日日曜日

気候変動会議は踊る今朝の冬

気候変動会議は踊る今朝の冬

地球温暖化は進んでゆくばかり、対策が急がれていますが。
きこうへんどう かいぎはおどる けさのふゆ
季語:今朝の冬(けさのふゆ)
冬の最初の日。二十四節気の一。太陽暦の十一月八日頃。まだそれ程寒くはないが、冬の声を聞くと吹く風もこころなしか冷たく感じられる。

2021年11月6日土曜日

足先に触れる何かや冬近し

足先に触れる何かや冬近し

ふと足先に何か硬いものがあたっていることに気が付いた。
あしさきに ふれるなにかや ふゆちかし
季語:冬近し(ふゆちかし)
立冬を目前にして、冬がすぐそこまで来ていることを表す。四季それぞれに、「隣」の一字をつけて季題とした。「冬隣」は寒く厳しい季節に向って心構える感じがある。

2021年11月5日金曜日

天高し朝からハイな人の声

天高し朝からハイな人の声

朝のケアに回って来た元気な声の主はあの時の宇宙人!
てんたかし あさからはいな ひとのこえ
季語:天高し(てんたかし)
秋になると、大気が澄むので空が高くなったような感じがする。これが「秋高し」だが、「天高し」の方が一般的。

2021年11月4日木曜日

桜紅葉天は二物を与えざる

紅葉天は二物を与えざる

に花見をした桜の紅葉は期待はずれでした。
さくらもみじ てんはにぶつを あたえざる
季語:桜紅葉(さくらもみじ)
の葉が色づくこと。桜の木は日本国中どこにでもあるが、あざやかな朱色にならないのであまり注目されることがない。比較的早く色づく。


2021年11月3日水曜日

百五十年前の写真や文化の日

百五十年前の写真や文化の日

テレビで湿板写真の技術で写真を撮っている人を見ました。
ひゃくごじゅうねん まえのしゃしんや ぶんかのひ
季語:文化の日(ぶんかのひ)
十一月三日の祝日。明治時代は天皇の誕生日として天長節、その後、明治節に変わったが、第二次大戦後は平和と文化を推進する日となり、文化の日と定められた。菊の盛りの頃である。

2021年11月2日火曜日

呼吸器と吾が呼気吸気秋深し

呼吸器と吾が呼気吸気秋深し

今や呼吸器は肺と一心同体となりました。
こきゅうきと わがこききゅうき あきふかし
季語:秋深し(あきふかし)
秋の深まるころ、季節としては晩秋(十月)、もの淋しさの漂うころのことをいうが、多分に心理的な言葉でもある。

2021年11月1日月曜日

行く秋や止まるものなき竿の先

行く秋や止まるものなき竿の先

秋の日はつるべ落とし、赤とんぼももういない。
ゆくあきや とまるものなき さおのさき
季語:行く秋(ゆくあき)
過ぎさってゆく秋のこと。秋から冬へと移ろい行くさま。「行く春」と違って寂寥感に満ちており、秋を惜しむ気持ちが深く現れた季語である。移ろい行く季節を、旅人になぞらえて「行く」と形容するが、春と秋だけのもので、「行く夏」「行く冬」とはいわない。