2025年7月31日木曜日

わだつみよ荒ぶるなかれ土用東風

わだつみよ荒ぶるなかれ土用東風

津波注意報は解除されましたが今度は台風が近づいてくるようです。
 わだつみよ あらぶるなかれ どようこち
季語:土用東風(どようこち)
夏の土用のさなかに吹く東風のこと。また雲ひとつない晴天に吹き渡る東風を「青東風」という。「青東風」は「青嵐」に含まれる場合もあるが、「青嵐」が爽快で清涼な風なのに対し、「青東風」は蒸した感じが伴う。

2025年7月30日水曜日

今日もまた熱き息吐く百日紅

今日もまた熱き息吐く百日紅

猛暑に人も動物も植物もぐったりしている中、元気な夏草と百日紅。
 きょうもまた あつきいきはく ひゃくじつこう
季語:百日紅(ひゃくじつこう)
梅雨明けごろから九月末まで咲き続ける木の花。「百日紅(ひゃくじつこう)」の名は、百日ものあいだ咲きつづけることに由来する。花の色は紅のほかに白、紫もある。樹幹の肌が滑らかで、「猿も滑る」ところからこの名がある。

2025年7月29日火曜日

タワービル延びるクレーン雲の峰

タワービル延びるクレーン雲の峰

開発の都会のタワービルの屋上からクレーンが雲の上まで延びる。
 たわーびる のびるくれーん くものみね
季語:雲の峰(くものみね)
盛夏、聳え立つ山並みのようにわき立つ雲。積乱雲。夏といえば入道雲であり、夏の代名詞である。強い日差しを受けて発生する激しい上昇気流により、巨大な積雲に成長して行く。地方により坂東太郎・丹波太郎・信濃太郎・石見太郎・安達太郎・比古太郎などとよばれる。

2025年7月28日月曜日

夏燕夕暮れ前の空高く

夏燕夕暮れ前の空高く

ようやく日が傾きかける頃、燕が空を高く飛んでいる帰る練習か。
 なつつばめ ゆうぐれまえの そらたかく
季語:夏燕(なつつばめ)
夏に飛ぶ燕である。燕は、春、南方から渡ってきて繁殖活動に入 る。四月下旬から七月にかけて二回産卵する。雛を育てる頃の燕 は、子燕に餌を与えるため、野や町中を忙しく飛び回る。

2025年7月27日日曜日

今どきの高校野球サングラス

今どきの高校野球サングラス

炎天下の高校野球、近頃の猛暑対策なのかサングラスの選手がいる。
 いまどきの こうこうやきゅう さんぐらす
季語:サングラス(さんぐらす)
紫外線から眼、ことに網膜を保護するための色付きの眼鏡。眼の保護以外にファッションとして用いることも多い。

2025年7月26日土曜日

夏の夜半つくづく思う幸福とは

夏の夜半つくづく思う幸福とは

春は曙夏は夜、ふと思う幸福とは何だろうと天井を眺めて考える。
 なつのよわ つくづくおもう こうふくとは
季語:夏の夜半(なつのよわ)
日中の暑さがピークを越して、やや過ごし易くなるはずの夜であるが、最近は熱帯夜に悩まされることも多い。しかし夏の夜は遅くまで人通りがあり、寝るのが何となく惜しく夜更かしをしたりする。

2025年7月25日金曜日

生き様は人それぞれよ蝸牛

生き様は人それぞれよ蝸牛

人生百年時代と言われるようになっても蝸牛のようにマイペースで。
 いきざまは ひとそれぞれよ かたつむり
季語:蝸牛(かたつむり)
渦巻き状の薄い殻、伸縮自在の柔らかな体。二本の角を出し、木や草をゆっくりと這う。梅雨のころによく見られる。童謡などにも唄われる。二本の角の長いほうの先端が目の役割をする。


2025年7月24日木曜日

公園は無人灼けた遊具の影

公園は無人灼けた遊具の影

余りの暑さに公園に来る人もなく日に灼けた遊具だけが並んでいる。
 こうえんはむじん やけたゆうぐのかげ
季語:灼く(やく)
真夏の太陽の直射熱に照りつけられて、熱く灼ける状態をいう。激しい暑さを視覚的に捉えた「炎ゆ」に対して「灼く」には火傷しそうな触覚がある。新興俳句の隆盛に伴う新しい季語。

2025年7月23日水曜日

油断して一匹の蚊の闇討ちに

断して一匹の蚊の闇討ちに

一度追い払って安心してしまい油断したところを一匹の蚊の一刺し。
 ゆだんして いっぴきのかの やみうちに
季語:蚊(か)
夏、人や家畜の血を吸う小さな虫。蠅同様、人に嫌われる。夜分出ることが多いが、藪蚊などは昼も出てる。蚊帳を吊ったり、蚊遣火を焚いたりして、蚊が近づくことを防ぐ。蚊柱は、蚊が交尾のために群れている状態をいう。

2025年7月22日火曜日

高気圧二つ重なる大暑の日

高気圧二つ重なる大暑の日

日本列島を二つの高気圧がすっぽり覆っているらしい、暑いわけだ。
 こうきあつ ふたつかさなる たいしょのひ
季語:大暑の日(たいしよのひ)
二十四節気のひとつ。陽暦の七月二十三日頃にあたる。学校も夏休みに入り、暑さも本番となる。

2025年7月21日月曜日

砂山に佇てば沖より土用波

砂山に佇てば沖より土用波

子供のころ土用波の怖さを教えられたことを思い出しました。
 すなやまに たてばおきより どようなみ
季語:土用波(どようなみ)
立秋前の十八日間を夏の土用とするが、その頃の太平洋側は高波が押し寄せ手くることが多い。台風シーズンの秋も近い頃の波である。

2025年7月20日日曜日

応援の旗持ち係玉の汗

応援の旗持ち係玉の汗

高校野球の応援団の一人試合中じっと大きな旗を持ち続ける玉の汗。
 おうえんの はたもちがかり たまのあせ
季語:玉の汗(たまのあせ)
皮膚にある汗腺から出る分泌物。暑いと盛んに出て皮膚を濡らすが、風が吹くと、汗が体温を下げので涼しい。汗が激しく出て玉のようになっているさま。

2025年7月19日土曜日

空蝉となる木を決めてよじ登る

空蝉となる木を決めてよじ登る

真夏の暑さがやってきた。蝉も次々と幹をよじ登っているだろう。
 うつせみと なるきをきめて よじのぼる
季語:空蝉(うつせみ)
蝉のぬけ殻のこと。もともと「現し身」「現せ身」で、生身の人間をさしたが、のちに、「空せ身」空しいこの身、魂のぬけ殻という反対の意味に転じた。これが、「空蝉」蝉のぬけ殻のイメージと重なった。

2025年7月18日金曜日

夏の浜を想う空の青さかな

夏の浜を想う空の青さかな

梅雨が明けました!空の青さも夏を感じさせ故郷の砂浜を想います。
 なつのはまをおもう そらのあおさかな
季語:夏の浜(なつのはま)
夏は若者たちが海で遊ぶ季節である。紺碧の海と白い雲、ひときわ鮮烈で健康的な青春のイメージがある。

2025年7月17日木曜日

朝ぐもり残る昨夜の眼軟膏

朝ぐもり残る昨夜の眼軟膏

曇っているだけでなく寝る前に点した眼軟膏が残って目がぼやける。
 あさぐもり のこるゆうべの がんなんこう
季語:朝曇(あさぐもり)
「旱の朝曇」といって、暑くなる日は朝のうち靄がかかって曇ることが多い。これは陸風と海風が入れ代る早朝に、前日の強い日差しで蒸発した水蒸気が冷えるためである。こうした気象現象が明治末期から新しい季語として認められた。

2025年7月16日水曜日

スコール来傘が開いてゆく速さ

スコール来傘が開いてゆく速さ

スコールのような突然の土砂降りに傘の花が一斉に開いてゆく。
 すこーるく かさがひらいて ゆくはやさ
季語:スコール(すこーる)
急に始まり数分間ほど続く強い突風のこと。スコールは通常、中層からの下降気流または中層での対流(冷たい大気の先端に生じた局所的な上昇気流)により発生し、局所的な下降気流を強める。一般用語としては、天候変化によりやってくる驟雨(にわか雨)や雷などの悪天候の意味でも用いられる。

2025年7月15日火曜日

梅雨荒れてバケツ転がる音がする

梅雨荒れてバケツ転がる音がする

荒れの天気で突風にふっ飛ばされたのかバケツが転がってゆく。
 つゆあれて ばけつころがる おとがする
季語:梅雨荒れ(つゆあれ)
梅雨末期に起こる現象である台風や熱帯低気圧により激しく雨が大量に降る状態をいう。

2025年7月14日月曜日

かき氷こぼさぬようにこぼしけり

かき氷こぼさぬようにこぼしけり

山盛りのかき氷をこぼさぬように気をつけていてもこぼしてしまう。
 かきごおり こぼさぬように こぼしけり
季語:かき氷(かきごおり)
かき氷は「削氷」(けずりひ)として清少納言の『枕草子』の「貴なるもの」(上品なもの)に見える。当時は、甘葛(あまづら・蔦の樹液を煮詰めたものとされる)をかけて味わっていた。現在は果汁や練乳で甘みをつけ、抹茶、小豆餡、クリームを添えたものなど、多種多様である。真夏の涼味として人気が高いが、冬でも味わえる店がある。 

2025年7月13日日曜日

薄暮なる光を求め黒揚羽

薄暮なる光を求め黒揚羽

大きな黒揚羽が夕暮れ前の薄暮の光を求めるように舞っている。
 はくぼなる ひかりをもとめ くろあげは
季語:黒揚羽(くろあげは)
夏にみられる大型の蝶。キアゲハ、クロアゲハ、カラスアゲハなどの種類があり、いずれも羽の文様が美しい。春はやや小さめだが夏になると一回り大きくなる。

2025年7月12日土曜日

炎天のコールド負けの影法師

炎天のコールド負けの影法師

夏の高校野球の県予選コールド負けのチームのベンチ前の影法師。
 えんてんの こーるどまけの かげぼうし
季語:炎天(えんてん)
太陽の日差しが強く、焼け付くような真夏の空のこと。

2025年7月11日金曜日

リハビリの首の回らぬ扇風機

リハビリの首の回らぬ扇風機

近頃首周りに肉がついて首の動きが悪くなった、あの扇風機も?
 りはびりの くびのまわらぬ せんぷうき
季語:扇風機(せんぷうき)
電動機の軸に数枚の羽根をつけ、その回転によって風を起こす器具。夏場に涼をとるためのもの。かつては大型のものを天井の中央からぶら下げるように取りつけたこともあったが、エアコンの普及とともに少なくなった。

2025年7月10日木曜日

荒梅雨や連れ立ちて来る雨男

荒梅雨や連れ立ちて来る雨男

午後から空模様が急変、警報級の大雨の中をやってくる男が二人。
 あらづゆや つれだちてくる あめおとこ
季語:荒梅雨(あらづゆ)
梅雨末期に起こる現象である台風や熱帯低気圧により激しく雨が大量に降る状態をいう。

2025年7月9日水曜日

フェンスにだらり夏負け猫のダリ

フェンスにだらり夏負け猫のダリ
 
木陰のフェンスの上で器用に寝ている猫がいるダリと呼ぶことに。
 ふぇんすにだらり なつまけねこの だり
季語:夏負け(なつまけ)
暑さに参ってしまい食欲がなくなり、体重が極端に減ってしまうこと。油っこいものが食べられないので、そうめんや冷麦などで すませてしまうことも多い。
生成された俳句イメージ