2025年11月30日日曜日

仰ぐほかなき天井や神迎

仰ぐほかなき天井や神迎

寝返りができないので毎日天井を仰いで過ごしています。
あおぐほかなき てんじょうや かみむかえ
季語:神迎(かみむかえ)
出雲大社へ参集していた神々が会議を終えてもとの社へお帰りに なる。それを迎える祭事、行事。陰暦十月末か十一月一日とするところが多い。田の神が冬の間は山に帰るとする古い信仰が原型といわれる。

2025年11月29日土曜日

小春日やトマト煮込みのハンバーグ

小春日やトマト煮込みのハンバーグ

お昼はハンバーグがでました。今日は11月(いい)29日(肉)の日です。
こはるびや とまとにこみの はんばーぐ
季語:小春日(こはるび)
陰暦十月の異称である。まだ本格的な冬とはならず暖かい日和が春先の陽気を思わせるが、春とは区別して「小春」という。冬囲いに精を出したり、越冬野菜を取り入れたり、大根や柿を吊るし干にしたり、本格的な冬に備えるころの日和である。

2025年11月28日金曜日

ひとひらの色を尽くすや柿落葉

ひとひらの色を尽くすや柿落葉

今落ちたばかりの一枚の柿紅葉の色の美しさは命を尽くした色。
ひとひらの いろをつくすや かきおちば
季語:柿落葉(かきおちば)
霜が降るころになると、梢に残っていた柿紅葉も落葉する。地上 に落ちたそれらの中には思わず拾ってみたくなるほど美しいもの もある。色合いもさまざま、虫食い穴などもあって目を楽しませ てくれる。

2025年11月27日木曜日

山茶花散り敷き白き道に立つ

山茶花散り敷き白き道に立つ

風に山茶花がほとんど散り落ちて真っ白くなった道にふと立ち止まる。
さざんかちりしき しろきみちに たつ
季語:山茶花(さざんか)
日本固有のツバキ科の常緑小高木で、枝先に白か淡紅色の五弁の花を開く。園芸種として八重咲きや濃紅・絞りなどもある。

2025年11月26日水曜日

小春かな優しき声の院長は

小春かな優しき声の院長は

院長先生、ベッドサイドまでお越しいただいてありがとうございました。
こはるかな やさしきこえの いんちょうは
季語:小春(こはる)
陰暦十月の異称である。まだ本格的な冬とはならず暖かい日和が春先の陽気を思わせるが、春とは区別して「小春」という。冬囲いに精を出したり、越冬野菜を取り入れたり、大根や柿を吊るし干にしたり、本格的な冬に備えるころの日和である。

2025年11月25日火曜日

ナース呼ぶナースの声や朝時雨

ナース呼ぶナースの声や朝時雨

朝から忙しそうな病棟の廊下を呼び合う声が響いてきます。
なーすよぶ なーすのこえや あさしぐれ
季語:朝時雨(あさしぐれ)
冬の初め、降ったかと思うと晴れ、また降りだし、短時間で目まぐるしく変わる通り雨。この雨が徐々に自然界の色を消して行く。先人達は、さびれゆくものの中に、美しさと無常の心を養ってきた。

2025年11月24日月曜日

振替の休日の空神の旅

振替の休日の空神の旅

静岡県筋ジス協会のオンライン講演に箱根病院の先生方お疲れ様でした。
ふりかえの きゅうじつのそら かみのたび
季語:神の旅(かみのたび)
陰暦十月、諸国の神々が出雲大社へ集まるために旅立つこと。男女の縁を結び給うために集まるという。相談を終えた神々は十月晦日にそれぞれの国に帰る。もともとあった田の神が秋の収穫をもたらしたのちに山に帰るという信仰と、出雲信仰が結びついたとされる。

2025年11月23日日曜日

金柑の甘さに古稀のほろ苦さ

金柑の甘さに古稀のほろ苦さ

今日は勤労感謝の日、キンカンの日でもあり、金柑は甘くほろ苦い。
きんかんの あまさにこきの ほろにがさ
季語:金柑(きんかん)
ミカン科キンカン属の常緑低木。三センチほどの大きさの実の表面は艶やかで金色に光る。たわわに実っている様子が美しい。またビタミンCが豊富なため、砂糖などで煮て風邪薬として用いられる。

2025年11月22日土曜日

ビル街は枯山水めく冬茜

ビル街は枯山水めく冬茜

夕焼けてきたビル群のシルエットが茜色に染まり枯山水のよう。
びるがいは かれさんすいめく ふゆあかね
季語:冬茜(ふゆあかね)
単に「夕焼」といえば夏の季語だが、「冬の夕焼」「春の夕焼」「秋の夕焼」と一年中季語としてある。冬の夕焼は、枯木立や建物のコントラストが美しく、束の間ではあるが印象深い。子季語に「寒夕焼」「寒茜」もあるが、冬の夕焼に比べると、より寒中にある感が強い。 

2025年11月21日金曜日

えびす講恙無く過ぎし年の鯛

えびす講恙無く過ぎし年の鯛

えびす講の尾頭付きの鯛を見ると恙無く過ごせた一年の感謝を思う。
えびすこう つつがなくすぎし としのたい
季語:恵比寿講(えびすこう) 
七福神のひとつ恵比須神の祭礼。陰暦の十月二十日や十一月二十日などに行われる。恵比須は、農村では田の神、漁村では漁の神、商家では商売繁盛の神で、地方によって様々な祝い事がなされる。

2025年11月20日木曜日

早番の看護師の声白き霜

早番の看護師の声白き霜

一面真っ白な霜に覆われた中を出勤してきた看護師さんの声も寒そう。
はやばんの かんごしのこえ しろきしも
季語:霜(しも)
晴れた寒夜、空気中の水蒸気がそのまま冷え、屋外の物や地面にふれて、その表面についた氷。「万葉集」以来、詠まれ、「枕草子」で清少納言は「冬はつとめて霜のいと白きも」と書いている。

2025年11月19日水曜日

蔦紅葉つたふ白壁旧本館

蔦紅葉つたふ白壁旧本館

箱根病院の赤屋根の旧本館の外壁につたう蔦紅葉が鮮やかです。
つたもみじ つたうしらかべ きゅうほんかん
季語:蔦紅葉(つたもみじ)
蔓性で物にどんどん這い回る。山野に自生するが、街なかの外壁や石垣などにも見ることが出来る。晩秋には紅葉して木や建物を赤々と染め上げる。青蔦は夏の季語。

2025年11月18日火曜日

柿を食ひ尽くして尽きる命かな

柿を食ひ尽くして尽きる命かな

熊の出没が続き、また柿の木に登り柿を食べていた熊が駆除された。
かきをくいつくして つきる いのちかな
季語:柿(かき)
カキノキ科の落葉高木。東アジア温帯地方固有の植物で、果実を食用にする。かたい葉は光沢がある。雌雄同株。富有、御所、次郎柿などの甘柿は熟すると黄色が赤くなりそのまま食する。渋柿は、干し柿にすると甘くなる。青い実の渋柿からは、防水防腐に使われる「柿渋」がとれる。

2025年11月17日月曜日

ふるさとの小春日和の相良凧

ふるさとの小春日和の相良凧

大河ドラマ「べらぼう」に相良凧が登場して嬉しかったです。
ふるさとの こはるびよりの さがらだこ
季語:小春日和(こはるびより)
陰暦十月の異称である。まだ本格的な冬とはならず暖かい日和が春先の陽気を思わせるが、春とは区別して「小春」という。冬囲いに精を出したり、越冬野菜を取り入れたり、大根や柿を吊るし干にしたり、本格的な冬に備えるころの日和である。

2025年11月16日日曜日

茶の花や幼なじみの面影よ

茶の花や幼なじみの面影よ

茶の花の咲く頃になりました。中学で同級生の女の子を思い出します。
ちゃのはなや おさななじみの おもかげよ
季語:茶の花(ちゃのはな)
ツバキ科の常緑低木。白色五弁の小さい花を初冬に開く。黄色の蘂が特徴的。現在産地としては静岡や鹿児島が有名であるが、かつては、「宇治は茶所、茶は政所」と謳われた。

2025年11月15日土曜日

冬の夜のシクシク疼く奥歯かな

冬の夜のシクシク疼く奥歯かな

昼間の暖かさから急な夜の冷え込みに左右の奥歯が疼きだした。
ふゆのよの しくしくうずく おくばかな
季語:冬の夜(ふゆのよ)
「寒き夜」「夜半の冬」などともいう。冬の夜はさえざえと空気が澄んで、星や月も美しく見える。

2025年11月14日金曜日

小春日や金時山より望む富士

小春日や金時山より望む富士

金時山のライブカメラに富士が山頂から裾野までくっきりと望める。
こはるびや きんときやまより のぞむふじ
季語:小春日(こはるび)
陰暦十月の異称である。まだ本格的な冬とはならず暖かい日和が春先の陽気を思わせるが、春とは区別して「小春」という。冬囲いに精を出したり、越冬野菜を取り入れたり、大根や柿を吊るし干にしたり、本格的な冬に備えるころの日和である。

2025年11月13日木曜日

時雨雲我が意に沿わぬ手よ指よ

時雨雲我が意に沿わぬ手よ指よ

手や指の拘縮が思いの外進んで新しいマウス探しはいつまで続くのか。
しぐれぐも わがいにそわぬ てよゆびよ
季語:時雨雲(しぐれぐも)
冬の初め、降ったかと思うと晴れ、また降りだし、短時間で目まぐるしく変わる通り雨。この雨が徐々に自然界の色を消して行く。先人達は、さびれゆくものの中に、美しさと無常の心を養ってきた。

2025年11月12日水曜日

小春日の地中に巣くふスズメバチ

小春日の地中に巣くふスズメバチ

スズメバチの巣が見つかった!散歩コースを変えることにしよう。
こはるびの ちちゅうにすくう すずめばち
季語:小春日(こはるび)
陰暦十月の異称である。まだ本格的な冬とはならず暖かい日和が春先の陽気を思わせるが、春とは区別して「小春」という。冬囲いに精を出したり、越冬野菜を取り入れたり、大根や柿を吊るし干にしたり、本格的な冬に備えるころの日和である。

2025年11月11日火曜日

澄み渡る茜の空や神の留守

澄み渡る茜の空や神の留守

静かに夜が明けてゆっくりと朝日に茜色に染まる空と雲が美しい。
すみわたる あかねのそらや かみのるす
季語:神の留守(かみのるす)
陰暦十月は神無月と呼ばれ、全国の八百万の神様がこぞって出雲大社に集まる。神が留守となった神社の氏子たちは不安を覚え、恵比寿様などを留守神として祀る。信心の厚さゆえか、「神の旅」「神送」「神迎」、神が集まる出雲は逆に「神在祭」など類似の季語も多い。 

2025年11月10日月曜日

津波注意報の解けし冬の凪

津波注意報の解けし冬の凪

三陸沖の地震で発生した津波と注意報でしたが解除されたようです。
つなみちゅうい ほうのとけし ふゆのなぎ
季語:冬の凪(ふゆのなぎ)
冬の海の波がおだやかなこと。冬の海は、西高東低の気圧配置の影響で荒れることが多いが、ときには風もなく波もほとんどたたないことがある。

2025年11月9日日曜日

向こうより唐傘小僧初時雨

向こうより唐傘小僧初時雨

立冬を過ぎて、向こうから初時雨の中を妖怪唐傘小僧がやってくる?
むこうより からかさこぞう はつしぐれ
季語:初時雨(はつしぐれ)
その年の冬の初めての時雨。冬になってしまったという気持ちが、この季語には込められている。

2025年11月8日土曜日

小春日やパンダの知らぬ熊の難

小春日やパンダの知らぬ熊の難

冬眠を前に餌を探して人里に現れ駆除される熊の難を知らないパンダ。
こはるびや ぱんだのしらぬ くまのなん
季語:小春日(こはるび)
陰暦十月の異称である。まだ本格的な冬とはならず暖かい日和が春先の陽気を思わせるが、春とは区別して「小春」という。冬囲いに精を出したり、越冬野菜を取り入れたり、大根や柿を吊るし干にしたり、本格的な冬に備えるころの日和である。

2025年11月7日金曜日

色白の看護学生今朝の冬

色白の看護学生今朝の冬

新しい実習の学生さんは色白で12月生まれで冬が好きな清楚な印象。
いろじろの かんごがくせい けさのふゆ
季語:今朝の冬(けさのふゆ)
冬の最初の日。二十四節気の一。太陽暦の十一月八日頃。まだそれ程寒くはないが、冬の声を聞くと吹く風もこころなしか冷たく感じられる。

2025年11月6日木曜日

遠き日の母の手塩の栗ごはん

遠き日の母の手塩の栗ごはん

最近は減塩が叫ばれ病院食も然り、母の料理の塩加減が恋しくなります。
とおきひの ははのてしおの くりごはん
季語:栗ごはん(くりごはん)
鬼皮、渋皮をむいた栗を米とあわせ、塩、酒を加えて炊いたごはんのこと。むいた栗を焼いてから炊く場合もある。もち米を使って、おこわに炊くこともある。 

2025年11月5日水曜日

行く秋のカーソル迷ふマウスかな

行く秋のカーソル迷ふマウスかな

新しいマウスを試したものの使えるようになるかわからない。
ゆくあきの かーそるまよう まうすかな
季語:行く秋(ゆくあき) 
過ぎさってゆく秋のこと。秋から冬へと移ろい行くさま。「行く春」と違って寂寥感に満ちており、秋を惜しむ気持ちが深く現れた季語である。移ろい行く季節を、旅人になぞらえて「行く」と形容するが、春と秋だけのもので、「行く夏」「行く冬」とはいわない。

2025年11月4日火曜日

微睡みに母の面影ひつじ雲

微睡みに母の面影ひつじ雲

ひつじ雲を眺めてウトウトしていると母の顔が浮かんできた。
まどろみに ははのおもかげ ひつじぐも
季語:ひつじ雲(ひつじぐも)
「秋の雲」という季語の具体的な表現の一つです。気象学上の特徴:高積雲の俗称で、小さな雲が群れをなして空に広がって見える様子から「ひつじ雲」と呼ばれます。言い伝え:「ひつじ雲が出ると翌日雨」という天気に関する言い伝えもあります。

2025年11月3日月曜日

深秋の空かきまぜて深呼吸

深秋の空かきまぜて深呼吸

大陸の寒気が入ってきてぐっと秋が深まり木枯らし一号が吹いたとか。
しんしゅうの そらかきまぜて しんこきゅう
季語:深秋(しんしゅう)
秋の深まるころ、季節としては晩秋(十月)、もの淋しさの漂うころのことをいうが、多分に心理的な言葉でもある。

2025年11月2日日曜日

ドジャースに歓喜の輪湧く秋惜しむ

ドジャースに歓喜の輪湧く秋惜しむ

ワールドシリーズを制覇したドジャースに歓喜の輪が湧く秋の終わり。
どじゃーすに かんきのわわく あきおしむ
季語:秋惜しむ(あきおしむ)
去り行く秋を惜しむこと。「行く秋」よりも主観のつよい言葉である。古来から「春惜しむ」と相対する詩情とされる。

2025年11月1日土曜日

まっさらな十一月の空の青

まっさらな十一月の空の青

十一月になりました。空の青が新鮮に感じられます。
まっさらな じゅういちがつの そらのあお
季語:十一月(じゅういちがつ)
陽暦十一月で霜月をいう。立冬(十一月八日頃)を迎えるが、まだ寒くはなく、空も野山も澄みとおる頃である。暖かな日和が続くかと思えば、ときに時雨たり稀に霜の降る日もある。