俳句いきてゆくこと
日々の出来事や思いを俳句にしています
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2025年2月28日金曜日
月命日一日早く二月尽く
月命日一日早く二月尽く
妹の命日は一月二十九日なのですが今年二月の月命日は二十八日に。
つきめいにち いちにちはやく にがつつく
季語:二月尽く(にがつつく)
二月の終わること。しだいに日が長くなり、寒さが緩んでくるころ。
2025年2月27日木曜日
喰わずして永らえたとて春かなし
喰わずして永らえたとて春かなし
食事のことで相談しながら思うような結論が得られず持ち越しに。
くわずして やがらえたとて はるかなし
季語:春かなし(はるかなし)
春におぼえる愁いをいう。特別な理由がある愁いではない。花が咲き鳥が囀る季節ではあるが、ふとしたことで心がくもるのも春ならではのこと。
2025年2月26日水曜日
悩むこと人には多し山笑ふ
悩むこと人には多し山笑ふ
暖かくなると途端にスギやヒノキの花粉が飛んで花粉症に悩む人が。
なやむこと ひとにはおおし やまわらう
季語:山笑ふ(やまわらう)
草木が芽吹き、花が咲き鳥のさえずる春の山を擬人化して「山笑ふ」といった。中国北宋の画家郭煕の「郭煕画譜」による季語である。夏の山の「山滴る」、秋の山の「山装ふ」、冬の山「山眠る」に対応する季語である。
2025年2月25日火曜日
うららかや軽口たたく人のいて
うららかや軽口たたく人のいて
寒波が収まり春めいてきて話す口調も軽やかになってきました。
うららかや かるくちたたく ひとのいて
季語:麗か(うららか)
春の日がうるわしくなごやかに照って、よろずの物が輝くさまをいう。
2025年2月24日月曜日
雪雲は海へ去る春の夕焼
雪雲は海へ去る春の夕焼
黒い雪雲が海へ流れて春の空が赤々と夕焼けてきました。
ゆきぐもは うみへさる はるのゆうやけ
季語:春の夕焼(はるのゆうやけ)
単に夕焼けといえば夏季。暮れ遅い春の夕焼には春特有のおだやかな情緒がある。
2025年2月23日日曜日
春の闇摩訶不思議なる金縛り
春の闇摩訶不思議なる金縛り
なるとは思っていなかった金縛りにあってしまった夜。
はるのやみ まかふしぎなる かなしばり
季語:春の闇(はるのやみ)
月のない春の夜の闇をいう。潤んだ闇のそこここに、たしかな春の息吹が感じられる。
2025年2月22日土曜日
春遅々としてこそばゆき土踏まず
春遅々としてこそばゆき土踏まず
寒波が居座って春がなかなかやって来ない、土踏まずがムズムズする。
はるちちとして こそばゆき つちふまず
季語:春遅々(はるちち)
すでに暦の上では春になっているのに、冬のなごりで寒さが残り、春が、なかなかやって来ないこと。南北に長い日本では、春の訪れの遅速が大きく、住んでいる土地により春の感じ方に違いがある。
2025年2月21日金曜日
まっさらな雪を踏みゆく夢を見し
まっさらな雪を踏みゆく夢を見し
大雪のニュースを見て、まっさらな雪を踏みしめてゆく夢を見た。
まっさらな ゆきをふみゆく ゆめをみし
季語:雪(ゆき)
雪は春の花、秋の月と並んで冬の美を代表する。雪国と呼ばれる日本海沿岸の豪雪地帯では雪は美しいものであるどころか、白魔と恐れられる。
2025年2月20日木曜日
震えたるベッドの下の余寒かな
震えたるベッドの下の余寒かな
消灯して寝入りばなの地震の揺れが気になって寒さを感じる夜。
ふるえたる べっどのしたの よかんかな
季語:余寒(よかん)
寒が明けてからもなお残る寒さ。春の兆しはそれとなくあるものの、まだまだ寒さは続く。立秋以後の暑さを「残暑」というが、それに対応する季語である。
2025年2月19日水曜日
白梅や米騒動の顛末は
白梅や米騒動の顛末は
満開の白梅が青空に鮮やかです。米不足、価格高騰はどうなった。
はくばいや こめそうどうの てんまつは
季語:白梅(はくばい)
梅は早春の寒気の残る中、百花にさきがけて白色五弁の花を開く。「花の兄」「春告草」とも呼ばれ、その気品ある清楚な姿は、古くから桜とともに日本人に愛され、多くの詩歌に詠まれてきた。香気では桜に勝る。
2025年2月18日火曜日
思い出はシトシト滲む雨水かな
思い出はシトシト滲む雨水かな
暦には雨水とあるものの寒気が張り出して大雪と寒さがやってきます。
おもいでは しとしとにじむ うすいかな
季語:雨水(うすい)
二十四節気のひとつ。立春の後十五日、二月二十日頃。氷雪が溶け水となり、雪が雨に変わること。草木の芽生えが始まり農耕の備えを始める目安になる。
2025年2月17日月曜日
すんなりと呑めぬ話や春寒し
すんなりと呑めぬ話や春寒し
うまいこと言いくるめられてしまったようで喉に支えような話。
すんなりと のめぬはなしや はるさむし
季語:春寒し(はるさむし)
春が立ってからの寒さである。余寒と同じであるが、語感や情感 のうえで微妙な違いがある。春寒は、余寒よりも春への思い入れ が強い。
2025年2月16日日曜日
梅ふふみ今年も良き実よく実れ
梅ふふみ今年も良き実よく実れ
寒風の中花を咲かそうとする梅の蕾を見ていると励まされる気がする。
うめふふみ ことしもよきみ よくみのれ
季語:梅ふふむ(うめふふむ)
花がまだ開花せず、ふっくらと紅色が兆し始めた梅のつぼみを表す季語です。初春の季語で、「梅含む」とも表記されます
2025年2月15日土曜日
二粒の眠剤あまく春めける
二粒の眠剤あまく春めける
今夜の眠剤は甘く感じてなんだか心地よく春の眠りに入れそうです。
ふたつぶの みんざいあたく はるめける
季語:春めく(はるめく)
立春(二月四日ころ)をすぎて、しだいに春らしくなってくることをいう。が、春は三寒四温というようにゆっくりとやって来る。
2025年2月14日金曜日
七時のニュースおしまいは春の月
七時のニュースおしまいは春の月
ぼんやりと見ていたニュースが終わりかけ画面に潤んだような春の月。
しちじのにゅーす おしまいは はるのつき
季語:春の月(はるのつき)
空気中の水分が増す春は、月も潤んだ感じがする。「秋の月はさやけきを賞で、春の月は朧なるを賞づ」と昔から言われる。月といえば秋の月をさすので、春の一字を加えて春季とする。
2025年2月13日木曜日
春疾風この切なさを誰か知る
春疾風この切なさを誰か知る
この悲しみこの切なさを克服するにはどうしたらいいの
だろう。
はるはやて このせつなさを たれかしる
季語:春疾風(はるはやて)
春の烈風のこと。冬の西高東低の気圧配置がくずれ、低気圧が東海上に抜けるにともなって荒れた天気となり、ときには嵐となる。
2025年2月12日水曜日
東風光る天神様の耳目かな
東風光る天神様の耳目かな
「東風吹かば匂い起こせよ梅の花…」天神様の耳目にあやかりたい。
こちひかる てんじんさまの じもくかな
季語:東風(こち)
春に吹く東風。冬型の西高東低の気圧配置が崩れ、太平洋から大陸へ吹く。温かい風で雪を解かし、梅の花を咲かせるが、ときに、強風となって時化を呼ぶ風でもある。
2025年2月11日火曜日
昭和百年の建国記念の日
昭和百年の建国記念の日
戦争があり戦後の経済成長、復興があり昭和百年の国の未来はいかに。
しょうわ ひゃくねんの けんこくきねんのひ
季語:建国記念の日(けんこくきねんのひ)
二月十一日。戦前は「紀元節」といった。明治五年に制定され、昭和二十三年に廃止された。昭和四十一年「建国記念の日」として復活。国民の祝日の一つに加えられた。神武天皇が橿原の宮に即位したとされる神武紀元元年正月一日を陽暦に換算した日。
2025年2月10日月曜日
病室のサンルームめく浅き春
病室のサンルームめく浅き春
雪国は大雪が続きますが、この部屋は日が射して暖かく春を感じます。
びょうしつの さんるーむめく あさきはる
季語:浅き春(あさきはる)
立春をすぎたのに、まだ春めいていない感じをいう。暖かいところでは梅が咲き、目白などが飛び交っているが、東北の日本海側などではまだ厚い雪に覆われている。風も冷たく、時には厳寒のころの気温に戻ったりもする。雪の中から蕗の薹を見つけるのもこのころ。「早春」よりも主観の入った季語と言えよう。
2025年2月9日日曜日
冴返る道路の下の下水管
冴返る道路の下の下水管
道路の下には様々な管が設置されてそれらが耐用年数を過ぎてくる。
さえかえる どうろのしたの げすいかん
季語:冴返る(さえかえる)
春さき、暖かくなりかけたかと思うとまた寒さが戻ってくること。一度暖かさを経験しただけに、より冴え冴えとしたものを感じさせる。
2025年2月8日土曜日
春暁や生きねばならぬ呼気吸気
春暁や生きねばならぬ呼気吸気
春
の夜明けに思うこと。生きてゆくことを心に深く誓い深呼吸。
しゅんぎょうや いきねばならぬ こききゅうき
季語:春暁(しゅんぎょう)
春の夜明けである。正確には暁は日の出前の未明をいい、夜の明ける気配はあるものの、あたりはまだ薄暗い。同じ夜明けでも曙は暁よりも遅く、日の出前をいう。
2025年2月7日金曜日
異動する看護師ふたり余寒かな
異動する看護師ふたり余寒かな
転院してきた時の新人だった馴染の看護師さんが異動してゆきます。
いどうする かんごしふたり よかんかな
季語:余寒(よかん)
寒が明けてからもなお残る寒さ。春の兆しはそれとなくあるものの、まだまだ寒さは続く。立秋以後の暑さを「残暑」というが、それに対応する季語である。
2025年2月6日木曜日
父母に会いにゆくのか春の雲
父母に会いにゆくのか春の雲
寒気はまだ衰えませんが青空をゆく雲は淡く春めいてきました。
ちちははに あいにゆくのか はるのくも
季語:春の雲(はるのくも)
春の空に浮かぶ雲をいう。春の初めはあわあわとした雲。春が深まるにつれて、青空にぽっかりと浮ぶ雲も見られるようになる。
2025年2月5日水曜日
春遅しループ再生する泪
春遅しループ再生する泪
妹の肉声データファイルを繰り返し聞いて微かに聞こえ泪が溢る。
はるおそし るーぷさいせいする なみだ
季語:春遅し(はるおそし)
すでに暦の上では春になっているのに、冬のなごりで寒さが残り、春が、なかなかやって来ないこと。南北に長い日本では、春の訪れの遅速が大きく、住んでいる土地により春の感じ方に違いがある。
2025年2月4日火曜日
悲しみは解けずに積もる春の雪
悲しみは解けずに積もる春の雪
永遠の別れの悲しみは癒えることなく心に積み重なってきます。
かなしみは とけずにつもる はるのゆき
季語:春の雪(はるのゆき)
立春を過ぎてから降る雪のこと。
2025年2月3日月曜日
妹も母も色白水仙花
妹も母も色白水仙花
今になって妹も母親に似て色白なことに気が付きました。
いもうとも ははもいろじろ すいせんか
季語:水仙花(すいせんか)
ヒガンバナ科の多年草。花の中央には副花冠という部分が襟のように環状に立つ。ラッパ形のもの、八重のものなどがあり、すがすがしい芳香をもつ。
2025年2月2日日曜日
呼吸器は外し素顔や山眠る
呼吸器は外し素顔や山眠る
呼吸器のマスクを外した素顔はすっきりと穏やかな寝顔をしている。
こきゅうきは はずしすがおや やまねむる
季語:山眠る(やまねむる)
冬山を擬人化したもの。中国の山水画伯、郭煕の画論の次の言葉「冬山惨淡として眠るがごとく」が、この季語の原点。春は「山笑ふ」夏「山滴る」秋「山粧ふ」、季節に応じて使い分けのできる重宝な季語。
2025年2月1日土曜日
湯灌済み納棺済むや寒の雨
湯灌済み納棺済むや寒の雨
お葬式まで粛々と準備が進んでゆきます。雨が降り始めました。
ゆかんすみ のうかんすむや かんのあめ
季語:寒の雨(かんのあめ)
寒の内(寒の入から立春の前日まで)に降る雨をいう。冷え込みがきつくなれば、雪に変わる雨である。
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