2025年3月31日月曜日

この人も異動してゆく霞かな

この人も異動してゆく霞かな

三月で異動してゆく顔見知りの看護師さんが次々と挨拶に来ます。
 このひとも いどうしてゆく かすみかな
季語:霞(かすみ)
春の山野に立ち込める水蒸気。万物の姿がほのぼのと薄れてのどかな春の景色となる。同じ現象を夜は「朧」とよぶ。

2025年3月30日日曜日

春愁のメール返信したる夜

愁のメール返信したる夜

弟から届いたメールに返信を゙送ったあと何となく気になりだした夜。
 しゅんしゅうの めーるへんしん したるよる
季語:春愁(しゅんしゅう)
春におぼえる愁いをいう。特別な理由がある愁いではない。花が咲き鳥が囀る季節ではあるが、ふとしたことで心がくもるのも春ならではのこと。

2025年3月29日土曜日

花冷えの喉元過ぎる夜の水

花冷えの喉元過ぎる夜の水

咲き始めた桜に冷たい雨が降って、夜の薬を飲む水が喉元を過ぎます。
 はなびえの のどもとすぎる よるのみず
季語:花冷え(はなびえ)
桜の咲くころ、急に冷え込むことがある。そのひえびえとした感じを花冷えという。早春の春寒とは違い、すっかり暖かくなってからの冷え込みである。

2025年3月28日金曜日

朧夜のОN時代思ひ出す

朧夜のОN時代思ひ出す

今日はプロ野球開幕日。少年時代のヒーロー王、長島を思い出します。
 おぼろよの おーえぬじだい おもいだす
季語:朧夜(おぼろよ)
おぼろにかすんで見える月夜のこと。春の夜の月はやわらかく艶やかな感じがある。

2025年3月27日木曜日

義経はチンギスカンか蒙古風

義経はチンギスカンか蒙古風

今日も黄砂が飛んでいる。昔々義経=チンギス・カン説があったなぁ。
 よしつねは ちんぎすかんか もうこかぜ
季語:蒙古風(もうこかぜ)
春、空から砂塵が降ること。中国大陸の黄河流域の砂や土が春風に舞い上がり、海を越えて日本列島に降りしきる。多いときには遠くが黄色く霞んで見え、地上が黄色に染まることもある。

2025年3月26日水曜日

蕾なる桜の下の猫の宴

蕾なる桜の下の猫の宴

たくさんの蕾の中に数輪の花が咲いた桜の下に数匹の猫が宴を開く?。
 つぼみなる さくらのもとの ねこのえん
季語:桜(さくら)
桜は花の中の花。古来より詩歌に歌われ、日本人に愛されてきた花である。もともとは、山野に自生する野生種であったが、江戸末期から明治にかけて、栽培種である染井吉野が誕生し、現在では、桜といえば染井吉野をさす。桜は神話の時代から、春を代表する花であったが、一時、中国から伝わった梅に、その地位を奪われる。『万葉集』集中の歌でも、梅の歌は桜の二倍以上になる。桜が梅に替わって、再び春を代表する花となったのは平安時代で、『古今集』では多くの桜の歌が見られるようになる。紫宸殿の「左近の桜」も最初は梅であったが、梅が枯れた後は桜に植えかえられた。

2025年3月25日火曜日

花咲いて散ってしまった花のこと

花咲いて散ってしまった花のこと

今年も桜の季節がやってくる。不意に散ってしまった花のことを思う。
 はなさいて ちってしまった はなのこと
季語:花(はな)
花といえば桜。しかし、花と桜は同じ言葉ではない。桜といえば植物であることに重きがおかれるが、花といえば心に映るその華やかな姿に重心が移る。いわば肉眼で見たのが桜、心の目に映るのが花である。

2025年3月24日月曜日

飛んできて鴉が止まる春暑し

飛んできて鴉が止まる春暑し

今日も暑くなりそう、そろそろ鴉が巣作りを始める頃なのかもしれない。
 とんできて からすがとまる はるあつし
季語:春暑し(はるあつし)
仲春或いは晩春の季節の移り行く時、好天に恵まれたりして、気温がぐんと上がり、時には汗ばむほどの暑さを覚える。夏の耐え難い暑さとは違う。

2025年3月23日日曜日

彼岸西風ふるさとは西方遥か

彼岸西風ふるさとは西方遥か

今日は暑く夏日の彼岸明けになりました。故郷は遠くなりました。
 ひがんにし ふるさとは さいほうはるか
季語:彼岸西風(ひがんにし)
春の彼岸のころに吹く西風。やわらかな西風もあるが、寒さの残る西風もある。この風が過ぎると、日増しに暖かくなる。

2025年3月22日土曜日

永き日の延長タイブレークの果て

永き日の延長タイブレークの果て

常葉菊川高校は聖光学院高校と延長タイブレークの末に一点差負け。
 ながきひの えんちょうたいぶれーく のはて
季語:永き日(ながきひ)
春になり、昼の時間が伸びて来ることをいう。実際は夏のほうが春より日が長いが、心理的には冬に比べて、春は日が長く感じられる。

2025年3月21日金曜日

独り居の真昼の窓よ燕来よ

独り居の真昼の窓よ燕来よ

いよいよ春本番の良い日和になりました、そろそろ燕もやってくる頃。
 ひとりいの まひるのまどよ つばめこよ
季語:燕(つばめ)
燕は春半ば、南方から渡ってきて、人家の軒などに巣を作り雛を育てる。初燕をみれば春たけなわも近い。

2025年3月20日木曜日

雨上がりいつも往く道鳥帰る

雨上がりいつも往く道鳥帰る

水たまりが残るいつもの道を行くと晴れ渡る空をゆく鳥の影が。
 あめあがり いつもゆくみち とりかえる
季語:鳥帰る(とりかえる)
日本で越冬した渡り鳥が北方へ去ること。雁、鴨、白鳥、鶴等に代表される。

2025年3月19日水曜日

見晴らせば神奈川沖の春の海

晴らせば神奈川沖の春の海

病院から小田原の街並みを眺めるとその先に穏やかな春の海が見えます。
 みはらせば かながわおきの はるのうみ
季語:春の海(はるのうみ)
蕪村が「春の海ひねもすのたりのたりかな」と詠んだように穏やかな海である。砂浜で桜貝を拾ったり、潮干狩りを楽しむ海である。

2025年3月18日火曜日

球春や野球小僧が目を覚ます

球春や野球小僧が目を覚ます

プロ野球オープン戦が行われ、今日から春のセンバツも始まりました!
 きゅうしゅんや やきゅうこぞうが めをさます 
季語:球春(きゅうしゅん)
2006年の『季語集』(岩波新書)に初めて掲載されました。プロ野球のキャンプ開始やオープン戦のころを指します。四季がある日本だからこそ感じられる言葉です。野球ファンにとっては、野球シーズンの幕開けが春の訪れを感じさせるもの。

2025年3月17日月曜日

日暮れきてシャカシャカ雨の入り彼岸

日暮れきてシャカシャカ雨の入り彼岸

昼間は晴れていましたが日が暮れると雨が降ってきた彼岸の入りです。
 ひぐれきて しゃかしゃかあめの いりひがん
季語:入り彼岸(いりひがん)
春分の日を中日として、その前後三日の計七日間を指す。このころになると、「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるように寒さも治まる。先祖の墓参りなどの行事がある。

2025年3月16日日曜日

春嵐はるさめスープつるんつるん

春嵐はるさめスープつるんつるん

スープのはるさめがスプーンから滑り落ちて口に入れるのに一苦労。
 はるあらし はるさめすーぷ つるんつるん
季語:春嵐(はるあらし)
春の烈風のこと。冬の西高東低の気圧配置がくずれ、低気圧が東海上に抜けるにともなって荒れた天気となり、ときには嵐となる。

2025年3月15日土曜日

春愁や人手不足の波ひたと

春愁や人手不足の波ひたと

人口減少は労働人口の減少に、人の手がなくてはならない病院にも。
 しゅんしゅうや ひとでぶそくの なみひたと
季語:春愁(しゅんしゅう)
春におぼえる愁いをいう。特別な理由がある愁いではない。花が咲き鳥が囀る季節ではあるが、ふとしたことで心がくもるのも春ならではのこと。

2025年3月14日金曜日

蛇穴を出てて子生れ石の上

蛇穴を出てて子生れ石の上

今日も暖かな日、蛇も冬眠から覚めて子生れ石の上に出ているかも。
 へびあなをいでて こうまれいしのうえ
季語:蛇穴を出づ(へびあなをいづ)
地中で冬眠していた蛇は三月下旬から四月頃、地上に姿をみせる。 東北以北や山地ではそれよりおくれる。一つの穴に多くの蛇が一 塊になっていることもある。啓蟄に関連した題目として使われる 俳味あふれる季語である。

「子生れ石」
静岡県牧之原市にある遠州七不思議、安産や子授け・長寿の御利益があると言われている。
室町時代から続く曹洞宗のお寺、大興寺を開山した大徹和尚は90歳余りまで生き「わしの身代わりとして裏山より石が生まれるであろう。」と言い残して亡くなったとのこと。それ以来、大興寺の住職が亡くなるたびに、岩中からまゆ型の無縫塔(むほうとう)が落ちてくるようになったとか。

2025年3月13日木曜日

命とはなんと儚き夕霞

命とはなんと儚き夕霞

今日は暖かく霞がかった空です。命の儚さを思った話を聞きました。
 いのちとは なんとはかなき ゆうがすみ
季語:夕霞(ゆうがすみ)
春の山野に立ち込める水蒸気。万物の姿がほのぼのと薄れてのどかな春の景色となる。同じ現象を夜は「朧」とよぶ。

2025年3月12日水曜日

春雨は老舗の河津桜色

春雨は老舗の河津桜色

屋上からは鈴廣の河津桜が春雨に滲んだように咲いているのが見える。
 はるさめは しにせの かわずざくらいろ
季語:春雨(はるさめ)
春に降る雨の中でも、こまやかに降りつづく雨をいう。一雨ごとに木の芽、花の芽がふくらみ生き物達が活発に動き出す。「三冊子」では旧暦の正月から二月の初めに降るのを春の雨。それ以降は春雨と区別している。

2025年3月11日火曜日

春雨や帰還困難区域いまだ

春雨や帰還困難区域いまだ

十四年経ってもいまだに帰還困難区域が存在している。あと何十年?
 はるさめや きかんこんなんくいき いまだ
季語:春雨(はるさめ)
春に降る雨の中でも、こまやかに降りつづく雨をいう。一雨ごとに木の芽、花の芽がふくらみ生き物達が活発に動き出す。「三冊子」では旧暦の正月から二月の初めに降るのを春の雨。それ以降は春雨と区別している。

2025年3月10日月曜日

三月の東京の空キーウの空

三月の東京の空キーウの空

テレビでは八十年前の東京大空襲の空の映像が、キーウでは今も空襲が。
 さんがつの とうきょうのそら きーうのそら
季語:三月(さんがつ)
草木の芽吹きが活発となる頃だが、北国はまだ雪に閉ざされている。下旬には桜の花が咲きはじめる地域も多い。最近では多くの人が、花粉症に悩まされる月でもある。

2025年3月9日日曜日

風光る避難解除のアナウンス

風光る避難解除のアナウンス

大船渡の山火事の鎮火が確認された地区から避難解除のアナウンスが。
 かぜひかる ひなんかいじょの あなうんす
季語:風光る(かぜひかる)
春風がきらきらと光り輝くように感じられることをいう。陽光の踊るような明るさに、風にゆらぐ景色もまばゆい。春の到来のよろこびや希望を、吹く風に託した言葉。

2025年3月8日土曜日

十四年デブリそのまま凍返る

十四年デブリそのまま凍返る

東日本大震災から十四年となりますが燃料デブリは溜まったまま。
 じゅうよねん でぶりそのまま いてかえる
季語:凍返る(いてかえる)
春になって暖かい日々が続いたところへ、突然寒い日が舞い戻ること。凍つは、大地や森羅万象が凍り付くことで冬の季語、それに返るが付いた。似た言葉に冴え返るもあるがこちらはより感覚的な把握の季語。

2025年3月7日金曜日

丸刈りの一丁上がり春の空

丸刈りの一丁上がり春の空

散髪は一番短い丸刈りで、仕上げに蒸しタオルで拭いてもらいます。
 まるがりの いっちょうあがり はるのそら
季語:春の空(はるのそら)
春の青空。春は大気が水分を多く含み、ほんのりと霞んでいることもある。

2025年3月6日木曜日

誕生日こころの中に春の雲

誕生日こころの中に春の雲

私は春の雲が好きです。悲しみを乗せて飛んでいってくれる春の雲。
 たんじょうび こころのなかに はるのくも
季語:春の雲(はるのくも)
春の空に浮かぶ雲をいう。春の初めはあわあわとした雲。春が深まるにつれて、青空にぽっかりと浮ぶ雲も見られるようになる。

2025年3月5日水曜日

散り梅の雨しみじみと車椅子

散り梅の雨しみじみと車椅子

先々週は満開の梅はすっかり散っていて細やかな雨が落ちてきました。
 ちりうめの あめしみじみと くるまいす
季語:梅(うめ)
梅は早春の寒気の残る中、百花にさきがけて白色五弁の花を開く。「花の兄」「春告草」とも呼ばれ、その気品ある清楚な姿は、古くから桜とともに日本人に愛され、多くの詩歌に詠まれてきた。香気では桜に勝る。

2025年3月4日火曜日

凍返る尾根に火赤く日暮れくる

凍返る尾根に火赤く日暮れくる

寒波がまた来ました。大船渡の山火事は一日も早く鎮火できますように。
 いてかえる おねにひあかく ひぐれくる
季語:凍返る(いてかえる)
春になって暖かい日々が続いたところへ、突然寒い日が舞い戻ること。凍つは、大地や森羅万象が凍り付くことで冬の季語、それに返るが付いた。似た言葉に冴え返るもあるがこちらはより感覚的な把握の季語。

2025年3月3日月曜日

雛段の前の晴れ着や古写真

雛段の前の晴れ着や古写真

妹の若い頃の写真、着ていたその着物が遺品の中から出てきた!。
 ひなだんの まえのはれぎや ふるしゃしん
季語:雛段(ひなだん)
三月三日、女の子の健やかな成長を願うお祭である。雛人形を飾り、白酒や雛あられをふるまって祝う。

2025年3月2日日曜日

河津桜七十路の春吾も古希

河津桜七十路の春吾も古希

河津桜が見つかったのは一九五五年なので七十年目の春です。。
 かわずざくら ななそじのはる われもこき
季語:春(はる)
四季の一つで、立春(二月四日頃))から立夏(五月六日頃)の前日までの期間をいう。動植物の生育が活発になる季節で、春という言葉には、もののときめく明るいひびきがある。旧暦では一月、二月、三月が春。三春(初春、仲春、晩春)をまとめた九十日間を九春とよぶ。

2025年3月1日土曜日

暖かやこんないい日を外にも出ず

暖かやこんないい日を外にも出ず

今日から三月です。春の暖かな日なのに外にも出られず寝て過ごす。
 あたたかや こんないいひを とにもでず
季語:暖か(あたたか)
暑くも寒くもないほどよい温度。冬の寒さを越えてきた身には、暖かさは体で感じるばかりでなく、心にも大きく働く。四季の体感温度をあらわす季語として、夏の「暑し」、秋の「冷やか」、冬の「寒し」に相応する。