2025年12月16日火曜日

長病みを一瞬に透く冬日かな

長病みを一瞬に透く冬日かな

冬の朝真正面から太陽が射し込んで体の底まで目覚めさせてくれます。
ながやみを いっしゅんにすく ふゆひかな
季語:冬日(ふゆひ)
冬の一日と冬の太陽の両方の意味で使われる。歳時記によっては「冬の日」「冬日」と別立てのものもある。冬は日照時間が短く、すぐに暮れてしまう。それだけに昼間の日差しをいっぱいに浴びたいという思いがこもる。雪の日の多い日本海側と乾燥した日の多い太平洋側とで、はこの季語のもつ印象はおのずと異なろう。

2025年12月15日月曜日

冬の灯にとろろ粥すする夕餉かな

冬の灯にとろろ粥すする夕餉かな

面会に来てくれてありがとう。とろろを美味しくいただきました。
ふゆのひに とろろがゆすする ゆうげかな
季語:冬の灯(ふゆのひ)
冬の夕暮とともにともされる灯のこと。日暮の早い町にともる灯は、淋しさとともに暖かな感じがある。

2025年12月14日日曜日

隙間風闇にもどかしき思ひかな

隙間風闇にもどかしき思ひかな

寒いのが苦手なのですが、出所がわからない隙間風が大の苦手です。
すきまかぜ やみにもどかしき おもいかな
季語:隙間風(すきまかぜ)
障子や戸の隙間から入ってくる冷たい風のこと。隙間に目張りをしてこれを防いだりする。身にしみる風である。

2025年12月13日土曜日

メールに開く俳句カレンダー師走かな

メールに開く俳句カレンダー師走かな

メールを開くと来年の俳句カレンダーでした!新しい一年楽しみです。
めーるにひらく はいくかれんだー しわすかな
季語:師走(しわす)
陰暦十二月の異称だが陽暦でも使われる。語源については諸説あるが、この月には師(僧)が仏事などで忙しく走り回ることから、というのが一般的であろう。

2025年12月12日金曜日

師走「熊」一筆に墨ほとばしる

師走「熊」一筆に墨ほとばしる

恒例の一年の世相を表す今年の漢字は「熊」、「米」は二番目でした。
しわす くまひとふでに すみほとぱしる
季語:師走(しわす)
陰暦十二月の異称だが陽暦でも使われる。語源については諸説あるが、この月には師(僧)が仏事などで忙しく走り回ることから、というのが一般的であろう。

2025年12月11日木曜日

空風の小腹を一つ日暮れかな

空風の小腹を一つ日暮れかな

からっ風に小腹が減ってポンと叩けばもう日が暮れて夕飯の時間です。
からかぜの こばらをひとつ ひぐれかな
季語:空風(からかぜ)
晴れた日に吹く北西の乾燥した季節風。ことに上州の空っ風は有名である。日本海側に雪を降らせて乾燥した風が、山脈をこえて関東平野に吹き荒れる。

2025年12月10日水曜日

漱石の猫のまなざし紅葉散る

漱石の猫のまなざし紅葉散る

紅葉も色褪せてきて散り始めています。日向ぼっこの猫に睨まれて。
そうせきの ねこのまなざし もみじちる
季語:紅葉散る(もみじちる)
美しく紅葉した葉も、冬の訪れとともに色褪せ、やがて冬の風に散っていく。水分が飛んで軽くなった葉は、北風に軽々と飛ばされる。散り敷いた紅葉に霜が降り、静かに冬は深まっていく。

2025年12月9日火曜日

手作りのカード希望のクリスマス

手作りのカード希望のクリスマス

看護実習生から手作りのクリスマスカードを贈られました。希望の光。
てづくりの かーどきぼうの くりすます
季語:クリスマス
十二月二十五日を基督の降誕祭と定める。基督教になじみの薄いわが国においても、クリスマスツリーを飾るなど、この時期、街はクリスマス一色になる。クリスマス商戦が盛んになるなど、巷が騒がしくなる。

2025年12月8日月曜日

レノン忌のイマジン聴くや白き朝

レノン忌のイマジン聴くや白き朝

12月8日は太平洋戦争の開戦の日ですがジョン・レノンの命日でもある。
れのんきの いまじんきくや しろきあさ
季語:レノン忌(れのんき)
ジョン・レノン(John Lennon)の命日(12月8日)を指し、俳句の世界では冬の季語として扱われることが多く、「冬」や「十二月」などの季節感と結びつけられ、冬の情景の中で故人を偲ぶ意味合いで使われます。

2025年12月7日日曜日

痛む腰そらし物干す実南天

痛む腰そらし物干す実南天

骨粗しょう症で大腿骨を人工関節にした母の痛みと南天の実の思い出。
いたむこし そらしものほす みなんてん
季語:実南天(みなんてん)
初夏の頃白い小花を穂状につけるが、これが小粒の球形の実になる。枝先に群がった実は晩秋から初冬に真っ赤に色づく。「難を転ずる」に通じることから、鬼門や水周りに植えたり、縁起物として正月飾や祝い事に用いられる。

2025年12月6日土曜日

漆黒の闇を照らすや月冴ゆる

漆黒の闇を照らすや月冴ゆる

今年最後の満月は見損ねてしまいましたが、想像するだけで美しい。
しっこくの やみをてらすや つきさゆる
季語:月冴ゆる(つきさゆる)
四季を通しての月ではあるが、冬の月といえば寒さによる心理的な要因もあってか荒涼とした寂寥感が伴う。雲が吹き払らわれた空のすさまじいまでの月の光には誰しもが心をゆすられる思いがあろう。

2025年12月5日金曜日

通り過ぎし風よ冬木の桜かな

通り過ぎし風よ冬木の桜かな

紅葉の中の冬木の桜の枝を抜けてゆく風が寂しさを感じさせます。
とおりすぎし かぜよふゆきの さくらかな
季語:冬木の桜(ふゆきのさくら)
冬枯の桜をいう。色とりどりに美しい桜紅葉が散り尽くしたのち、 桜は枯れ姿になる。華やかな花時をおもかげに、枯れた姿にも趣 が感じられる。返り花や冬桜と混同しないようにしたい。

2025年12月4日木曜日

底冷えや動かぬ四肢の爪の先

底冷えや動かぬ四肢の爪の先

急に冬めいて冷え込みが強くなってきました。冷たさが爪の先に。
そこびえや うごかぬししの つめのさき
季語:底冷え(そこびえ)
冬の厳しい寒さの中でも特に冷え込みが強く、地面や室内の奥深くまで寒さが染み込むような感覚を指す冬の季語です。寒さがじわじわと体に浸透し、動いても温まらないような冷えを表現しています。

2025年12月3日水曜日

冬紅葉面会時間の駐車場

冬紅葉面会時間の駐車場

散歩は面会時間と重なり駐車場には車か並び冬の紅葉に染まっている。
ふゆもみじ めんかいじかんの ちゅうしゃじょう
季語:冬紅葉(ふゆもみじ)
周辺が枯れを深めるなかの紅葉であり、また、冬になってから色が際立ってくる庭園や寺社などの紅葉でもある。

2025年12月2日火曜日

冬日向一歩踏み出す勇気かな

冬日向一歩踏み出す勇気かな

居心地のいい冬日向から寒い道であろうと踏み出すことも勇気です。
ふゆひなた いっぽふみだす ゆうきかな
季語:冬日向(ふゆひなた)
冬の日の光、またはその日差しを浴びて暖まること

2025年12月1日月曜日

冬晴の雲に託すや旅ごころ

冬晴の雲に託すや旅ごころ

冬晴の青空を流れる一つの雲に乗ってのんびり旅してみたい。何処へ。
ふゆばれの くもにたくすや たびごころ
季語:冬晴(ふゆばれ)
小春日が初冬の季語であるのに対し冬日和は厳寒の季語になる。よく晴れた冬の穏やかなひと日は、雪国の人たちにとって貴重な一日となる。

2025年11月30日日曜日

仰ぐほかなき天井や神迎

仰ぐほかなき天井や神迎

寝返りができないので毎日天井を仰いで過ごしています。
あおぐほかなき てんじょうや かみむかえ
季語:神迎(かみむかえ)
出雲大社へ参集していた神々が会議を終えてもとの社へお帰りに なる。それを迎える祭事、行事。陰暦十月末か十一月一日とするところが多い。田の神が冬の間は山に帰るとする古い信仰が原型といわれる。

2025年11月29日土曜日

小春日やトマト煮込みのハンバーグ

小春日やトマト煮込みのハンバーグ

お昼はハンバーグがでました。今日は11月(いい)29日(肉)の日です。
こはるびや とまとにこみの はんばーぐ
季語:小春日(こはるび)
陰暦十月の異称である。まだ本格的な冬とはならず暖かい日和が春先の陽気を思わせるが、春とは区別して「小春」という。冬囲いに精を出したり、越冬野菜を取り入れたり、大根や柿を吊るし干にしたり、本格的な冬に備えるころの日和である。

2025年11月28日金曜日

ひとひらの色を尽くすや柿落葉

ひとひらの色を尽くすや柿落葉

今落ちたばかりの一枚の柿紅葉の色の美しさは命を尽くした色。
ひとひらの いろをつくすや かきおちば
季語:柿落葉(かきおちば)
霜が降るころになると、梢に残っていた柿紅葉も落葉する。地上 に落ちたそれらの中には思わず拾ってみたくなるほど美しいもの もある。色合いもさまざま、虫食い穴などもあって目を楽しませ てくれる。

2025年11月27日木曜日

山茶花散り敷き白き道に立つ

山茶花散り敷き白き道に立つ

風に山茶花がほとんど散り落ちて真っ白くなった道にふと立ち止まる。
さざんかちりしき しろきみちに たつ
季語:山茶花(さざんか)
日本固有のツバキ科の常緑小高木で、枝先に白か淡紅色の五弁の花を開く。園芸種として八重咲きや濃紅・絞りなどもある。

2025年11月26日水曜日

小春かな優しき声の院長は

小春かな優しき声の院長は

院長先生、ベッドサイドまでお越しいただいてありがとうございました。
こはるかな やさしきこえの いんちょうは
季語:小春(こはる)
陰暦十月の異称である。まだ本格的な冬とはならず暖かい日和が春先の陽気を思わせるが、春とは区別して「小春」という。冬囲いに精を出したり、越冬野菜を取り入れたり、大根や柿を吊るし干にしたり、本格的な冬に備えるころの日和である。

2025年11月25日火曜日

ナース呼ぶナースの声や朝時雨

ナース呼ぶナースの声や朝時雨

朝から忙しそうな病棟の廊下を呼び合う声が響いてきます。
なーすよぶ なーすのこえや あさしぐれ
季語:朝時雨(あさしぐれ)
冬の初め、降ったかと思うと晴れ、また降りだし、短時間で目まぐるしく変わる通り雨。この雨が徐々に自然界の色を消して行く。先人達は、さびれゆくものの中に、美しさと無常の心を養ってきた。

2025年11月24日月曜日

振替の休日の空神の旅

振替の休日の空神の旅

静岡県筋ジス協会のオンライン講演に箱根病院の先生方お疲れ様でした。
ふりかえの きゅうじつのそら かみのたび
季語:神の旅(かみのたび)
陰暦十月、諸国の神々が出雲大社へ集まるために旅立つこと。男女の縁を結び給うために集まるという。相談を終えた神々は十月晦日にそれぞれの国に帰る。もともとあった田の神が秋の収穫をもたらしたのちに山に帰るという信仰と、出雲信仰が結びついたとされる。

2025年11月23日日曜日

金柑の甘さに古稀のほろ苦さ

金柑の甘さに古稀のほろ苦さ

今日は勤労感謝の日、キンカンの日でもあり、金柑は甘くほろ苦い。
きんかんの あまさにこきの ほろにがさ
季語:金柑(きんかん)
ミカン科キンカン属の常緑低木。三センチほどの大きさの実の表面は艶やかで金色に光る。たわわに実っている様子が美しい。またビタミンCが豊富なため、砂糖などで煮て風邪薬として用いられる。

2025年11月22日土曜日

ビル街は枯山水めく冬茜

ビル街は枯山水めく冬茜

夕焼けてきたビル群のシルエットが茜色に染まり枯山水のよう。
びるがいは かれさんすいめく ふゆあかね
季語:冬茜(ふゆあかね)
単に「夕焼」といえば夏の季語だが、「冬の夕焼」「春の夕焼」「秋の夕焼」と一年中季語としてある。冬の夕焼は、枯木立や建物のコントラストが美しく、束の間ではあるが印象深い。子季語に「寒夕焼」「寒茜」もあるが、冬の夕焼に比べると、より寒中にある感が強い。 

2025年11月21日金曜日

えびす講恙無く過ぎし年の鯛

えびす講恙無く過ぎし年の鯛

えびす講の尾頭付きの鯛を見ると恙無く過ごせた一年の感謝を思う。
えびすこう つつがなくすぎし としのたい
季語:恵比寿講(えびすこう) 
七福神のひとつ恵比須神の祭礼。陰暦の十月二十日や十一月二十日などに行われる。恵比須は、農村では田の神、漁村では漁の神、商家では商売繁盛の神で、地方によって様々な祝い事がなされる。

2025年11月20日木曜日

早番の看護師の声白き霜

早番の看護師の声白き霜

一面真っ白な霜に覆われた中を出勤してきた看護師さんの声も寒そう。
はやばんの かんごしのこえ しろきしも
季語:霜(しも)
晴れた寒夜、空気中の水蒸気がそのまま冷え、屋外の物や地面にふれて、その表面についた氷。「万葉集」以来、詠まれ、「枕草子」で清少納言は「冬はつとめて霜のいと白きも」と書いている。

2025年11月19日水曜日

蔦紅葉つたふ白壁旧本館

蔦紅葉つたふ白壁旧本館

箱根病院の赤屋根の旧本館の外壁につたう蔦紅葉が鮮やかです。
つたもみじ つたうしらかべ きゅうほんかん
季語:蔦紅葉(つたもみじ)
蔓性で物にどんどん這い回る。山野に自生するが、街なかの外壁や石垣などにも見ることが出来る。晩秋には紅葉して木や建物を赤々と染め上げる。青蔦は夏の季語。

2025年11月18日火曜日

柿を食ひ尽くして尽きる命かな

柿を食ひ尽くして尽きる命かな

熊の出没が続き、また柿の木に登り柿を食べていた熊が駆除された。
かきをくいつくして つきる いのちかな
季語:柿(かき)
カキノキ科の落葉高木。東アジア温帯地方固有の植物で、果実を食用にする。かたい葉は光沢がある。雌雄同株。富有、御所、次郎柿などの甘柿は熟すると黄色が赤くなりそのまま食する。渋柿は、干し柿にすると甘くなる。青い実の渋柿からは、防水防腐に使われる「柿渋」がとれる。

2025年11月17日月曜日

ふるさとの小春日和の相良凧

ふるさとの小春日和の相良凧

大河ドラマ「べらぼう」に相良凧が登場して嬉しかったです。
ふるさとの こはるびよりの さがらだこ
季語:小春日和(こはるびより)
陰暦十月の異称である。まだ本格的な冬とはならず暖かい日和が春先の陽気を思わせるが、春とは区別して「小春」という。冬囲いに精を出したり、越冬野菜を取り入れたり、大根や柿を吊るし干にしたり、本格的な冬に備えるころの日和である。

2025年11月16日日曜日

茶の花や幼なじみの面影よ

茶の花や幼なじみの面影よ

茶の花の咲く頃になりました。中学で同級生の女の子を思い出します。
ちゃのはなや おさななじみの おもかげよ
季語:茶の花(ちゃのはな)
ツバキ科の常緑低木。白色五弁の小さい花を初冬に開く。黄色の蘂が特徴的。現在産地としては静岡や鹿児島が有名であるが、かつては、「宇治は茶所、茶は政所」と謳われた。

2025年11月15日土曜日

冬の夜のシクシク疼く奥歯かな

冬の夜のシクシク疼く奥歯かな

昼間の暖かさから急な夜の冷え込みに左右の奥歯が疼きだした。
ふゆのよの しくしくうずく おくばかな
季語:冬の夜(ふゆのよ)
「寒き夜」「夜半の冬」などともいう。冬の夜はさえざえと空気が澄んで、星や月も美しく見える。

2025年11月14日金曜日

小春日や金時山より望む富士

小春日や金時山より望む富士

金時山のライブカメラに富士が山頂から裾野までくっきりと望める。
こはるびや きんときやまより のぞむふじ
季語:小春日(こはるび)
陰暦十月の異称である。まだ本格的な冬とはならず暖かい日和が春先の陽気を思わせるが、春とは区別して「小春」という。冬囲いに精を出したり、越冬野菜を取り入れたり、大根や柿を吊るし干にしたり、本格的な冬に備えるころの日和である。

2025年11月13日木曜日

時雨雲我が意に沿わぬ手よ指よ

時雨雲我が意に沿わぬ手よ指よ

手や指の拘縮が思いの外進んで新しいマウス探しはいつまで続くのか。
しぐれぐも わがいにそわぬ てよゆびよ
季語:時雨雲(しぐれぐも)
冬の初め、降ったかと思うと晴れ、また降りだし、短時間で目まぐるしく変わる通り雨。この雨が徐々に自然界の色を消して行く。先人達は、さびれゆくものの中に、美しさと無常の心を養ってきた。

2025年11月12日水曜日

小春日の地中に巣くふスズメバチ

小春日の地中に巣くふスズメバチ

スズメバチの巣が見つかった!散歩コースを変えることにしよう。
こはるびの ちちゅうにすくう すずめばち
季語:小春日(こはるび)
陰暦十月の異称である。まだ本格的な冬とはならず暖かい日和が春先の陽気を思わせるが、春とは区別して「小春」という。冬囲いに精を出したり、越冬野菜を取り入れたり、大根や柿を吊るし干にしたり、本格的な冬に備えるころの日和である。

2025年11月11日火曜日

澄み渡る茜の空や神の留守

澄み渡る茜の空や神の留守

静かに夜が明けてゆっくりと朝日に茜色に染まる空と雲が美しい。
すみわたる あかねのそらや かみのるす
季語:神の留守(かみのるす)
陰暦十月は神無月と呼ばれ、全国の八百万の神様がこぞって出雲大社に集まる。神が留守となった神社の氏子たちは不安を覚え、恵比寿様などを留守神として祀る。信心の厚さゆえか、「神の旅」「神送」「神迎」、神が集まる出雲は逆に「神在祭」など類似の季語も多い。 

2025年11月10日月曜日

津波注意報の解けし冬の凪

津波注意報の解けし冬の凪

三陸沖の地震で発生した津波と注意報でしたが解除されたようです。
つなみちゅうい ほうのとけし ふゆのなぎ
季語:冬の凪(ふゆのなぎ)
冬の海の波がおだやかなこと。冬の海は、西高東低の気圧配置の影響で荒れることが多いが、ときには風もなく波もほとんどたたないことがある。

2025年11月9日日曜日

向こうより唐傘小僧初時雨

向こうより唐傘小僧初時雨

立冬を過ぎて、向こうから初時雨の中を妖怪唐傘小僧がやってくる?
むこうより からかさこぞう はつしぐれ
季語:初時雨(はつしぐれ)
その年の冬の初めての時雨。冬になってしまったという気持ちが、この季語には込められている。

2025年11月8日土曜日

小春日やパンダの知らぬ熊の難

小春日やパンダの知らぬ熊の難

冬眠を前に餌を探して人里に現れ駆除される熊の難を知らないパンダ。
こはるびや ぱんだのしらぬ くまのなん
季語:小春日(こはるび)
陰暦十月の異称である。まだ本格的な冬とはならず暖かい日和が春先の陽気を思わせるが、春とは区別して「小春」という。冬囲いに精を出したり、越冬野菜を取り入れたり、大根や柿を吊るし干にしたり、本格的な冬に備えるころの日和である。

2025年11月7日金曜日

色白の看護学生今朝の冬

色白の看護学生今朝の冬

新しい実習の学生さんは色白で12月生まれで冬が好きな清楚な印象。
いろじろの かんごがくせい けさのふゆ
季語:今朝の冬(けさのふゆ)
冬の最初の日。二十四節気の一。太陽暦の十一月八日頃。まだそれ程寒くはないが、冬の声を聞くと吹く風もこころなしか冷たく感じられる。

2025年11月6日木曜日

遠き日の母の手塩の栗ごはん

遠き日の母の手塩の栗ごはん

最近は減塩が叫ばれ病院食も然り、母の料理の塩加減が恋しくなります。
とおきひの ははのてしおの くりごはん
季語:栗ごはん(くりごはん)
鬼皮、渋皮をむいた栗を米とあわせ、塩、酒を加えて炊いたごはんのこと。むいた栗を焼いてから炊く場合もある。もち米を使って、おこわに炊くこともある。 

2025年11月5日水曜日

行く秋のカーソル迷ふマウスかな

行く秋のカーソル迷ふマウスかな

新しいマウスを試したものの使えるようになるかわからない。
ゆくあきの かーそるまよう まうすかな
季語:行く秋(ゆくあき) 
過ぎさってゆく秋のこと。秋から冬へと移ろい行くさま。「行く春」と違って寂寥感に満ちており、秋を惜しむ気持ちが深く現れた季語である。移ろい行く季節を、旅人になぞらえて「行く」と形容するが、春と秋だけのもので、「行く夏」「行く冬」とはいわない。

2025年11月4日火曜日

微睡みに母の面影ひつじ雲

微睡みに母の面影ひつじ雲

ひつじ雲を眺めてウトウトしていると母の顔が浮かんできた。
まどろみに ははのおもかげ ひつじぐも
季語:ひつじ雲(ひつじぐも)
「秋の雲」という季語の具体的な表現の一つです。気象学上の特徴:高積雲の俗称で、小さな雲が群れをなして空に広がって見える様子から「ひつじ雲」と呼ばれます。言い伝え:「ひつじ雲が出ると翌日雨」という天気に関する言い伝えもあります。

2025年11月3日月曜日

深秋の空かきまぜて深呼吸

深秋の空かきまぜて深呼吸

大陸の寒気が入ってきてぐっと秋が深まり木枯らし一号が吹いたとか。
しんしゅうの そらかきまぜて しんこきゅう
季語:深秋(しんしゅう)
秋の深まるころ、季節としては晩秋(十月)、もの淋しさの漂うころのことをいうが、多分に心理的な言葉でもある。

2025年11月2日日曜日

ドジャースに歓喜の輪湧く秋惜しむ

ドジャースに歓喜の輪湧く秋惜しむ

ワールドシリーズを制覇したドジャースに歓喜の輪が湧く秋の終わり。
どじゃーすに かんきのわわく あきおしむ
季語:秋惜しむ(あきおしむ)
去り行く秋を惜しむこと。「行く秋」よりも主観のつよい言葉である。古来から「春惜しむ」と相対する詩情とされる。

2025年11月1日土曜日

まっさらな十一月の空の青

まっさらな十一月の空の青

十一月になりました。空の青が新鮮に感じられます。
まっさらな じゅういちがつの そらのあお
季語:十一月(じゅういちがつ)
陽暦十一月で霜月をいう。立冬(十一月八日頃)を迎えるが、まだ寒くはなく、空も野山も澄みとおる頃である。暖かな日和が続くかと思えば、ときに時雨たり稀に霜の降る日もある。

2025年10月31日金曜日

秋雨の監視カメラに熊の影

秋雨の監視カメラに熊の影

今月になって熊の被害や熊の目撃が急増しました。
あきさめの かんしかめらに くまのかげ
季語:秋雨(あきさめ)
秋に降る雨のこと。初秋に降る暑さを和らげる雨、台風がもたらす強く激しい雨、晩秋の冷たい雨といろいろあるが、秋雨前線による秋の長雨が印象深い。春の雨にくらべて寂しい風情がある。

2025年10月30日木曜日

蓑虫や吾は呼吸器つながる身

蓑虫や吾は呼吸器つながる身

呼吸器に24時間つながったままの私は蓑虫みたいじゃないか!
みのむしや われはこきゅうき つながるみ
季語:蓑虫(みのむし)
ミノガ科のガの幼虫。体から分泌した糸で樹木の枝や葉を綴り、蓑(雨具)のような巣を作ってその中に潜む。枝にぶら下がって揺れる様は寂しげ。鬼の子ともいう。

2025年10月29日水曜日

蜻蛉から蜻蛉にうつる風の色

蜻蛉から蜻蛉にうつる風の色

秋の日射しと少し冷たい風の中に蜻蛉の羽のような光が見えた。
とんぼから とんぼにうつる かぜのいろ
季語:蜻蛉(とんぼ)
鬼やんま、塩辛蜻蛉、蜻蛉釣トンボ目に属する昆虫の総称。あきつ、やんまなどともいう。腹部は細長く円筒状。透明な二対の翅で飛び、大きな複眼を持つ。日本国をさす「あきつしま」は、蜻蛉が尾を咥えあった形に似ているからという故事による。

2025年10月28日火曜日

秋晴や長き廊下の突き当り

秋晴や長き廊下の突き当り

病棟の長い廊下の突き当りの窓から秋晴の遠い空が見える。
あきばれや ながきろうかの つきあたり
季語:秋晴(あきばれ)
晴れわたる秋の天気のこと。秋日和と同じことであるが、秋晴は秋日和より言葉の響きがやや強い。

2025年10月27日月曜日

大敗のトラキチたちの夜長かな

大敗のトラキチたちの夜長かな

日本シリーズ第二戦はタイガースが大敗しファンの悔しさは翌日も。
たいはいの とらきちたちの よながかな
季語:夜長(よなが)
秋の夜の長いことをいう。秋分が過ぎると、昼よりも夜が長くなり気分的にも、夜の長さが身にしみる。残暑もなくなり、夜業や読書にも身が入る。春の「日永」に対応する季語である。

2025年10月26日日曜日

筆柿や通称ちんぽ柿と知る

筆柿や通称ちんぽ柿と知る

産地によって様々な品種の柿があり面白い呼び名があるようです。
ふでがきや つうしょうちんぽがき としる
季語:筆柿(ふでがき)
筆柿とは、 柿の品種。別名、珍宝柿。地域により、ちんぽ柿、兎柿ともいう。形状が筆の穂先に似ているため、筆柿と呼ばれている。(とっても甘い)。一般的な柿よりも少々小振りである。



2025年10月25日土曜日

朝粥にのせ柚子味噌の香のほのか

朝粥にのせ柚子味噌の香のほのか

朝食に出された柚子味噌をのせたお粥の甘くほのかに柚子の香り。
あさがゆにのせ ゆずみそのかの ほのか
季語:柚子味噌(ゆずみそ)
細かく刻んだ柚をすり鉢でよく摺り、味噌やみりん酒などを加え調味したもの。味付けした味噌に柚の皮をすりおろし練り上げる方法もある。いずれにしても、柚の香気を味噌にうつし楽しむ調理法。柚釜は、中身をくり抜いた柚に味噌と果肉、絞り汁を加えたものを詰め火にかけていただく。柚を釜に見立てたもの。

2025年10月24日金曜日

霜降の薄雲晴れぬ一日かな

霜降の薄雲晴れぬ一日かな

秋晴の空はなかなかお目にかかれません。明日天気にな~れ。
そうこうの うすぐもはれぬ ひとひかな
季語:霜降(そうこう)
霜降の節 二十四節気のひとつ(十月二十三日頃)。初めて霜が降る季節、としている。

2025年10月23日木曜日

字余りの調べ整へ鰯雲

字余りの調べ整へ鰯雲

できた俳句の中七が中八なって調べが良くないので中七に直すと整った。
じあまりの しらべととのえ いわしぐも
季語:鰯雲(いわしぐも)
鰯の群れのように空に広がる雲。魚の鱗にも似ていることから、鱗雲ともいう。この雲が見られると鰯の群れがやってくるともいう。

2025年10月22日水曜日

秋時雨軋む車椅子の音

秋時雨軋む車椅子の音

車椅子がガタガタするので車輪周りを修理してもらいましたが治らない。
あきしぐれ きしむ くるまいすのおと
季語:秋時雨(あきしぐれ)
秋も終わりの頃に、降ってはすぐにやむ雨のことで、どこか侘し い感じを残す。『古今集』以来用いられている。時雨は冬。

2025年10月21日火曜日

ストレッチャー風呂場へ急ぐ冬隣

ストレッチャー風呂場へ急ぐ冬隣

急に冷え込んできて部屋から風呂場へ行く廊下が寒い。
すとれっちゃー ふろばへいそぐ ふゆどなり
季語:冬隣(ふゆとなり)
立冬を目前にして、冬がすぐそこまで来ていることを表す。四季それぞれに、「隣」の一字をつけて季題とした。「冬隣」は寒く厳しい季節に向って心構える感じがある。

2025年10月20日月曜日

瓦礫ガザ祈りの絶えぬ夜寒かな

瓦礫ガザ祈りの絶えぬ夜寒かな

停戦協定が結ばれては破られることが繰り返されて瓦礫となったガザ。
がれきがざ いのりのたえぬ よさむかな
季語:夜寒(よさむ) 
夜更けになると感じられる寒さ。日中感じられない寒さも、夜になると冷えて寒さが際立つ。「朝寒」とは異なり、古くから詩歌に詠まれてきた。「寒き夜」、「夜寒き」は冬である。

2025年10月19日日曜日

呼吸器に空の重さよ秋曇

呼吸器に空の重さよ秋曇

何となく雲が垂れ込めた秋の空の重苦しさを感じます。
こきゅうきに そらのおもさよ あきぐもり
季語:秋曇(あきぐもり) 
秋の曇り空のこと。「春に三日の晴れなし」というが、秋の天気も変わりやすく、晴れ日と曇りの日が短い周期で入れ替わる。

2025年10月18日土曜日

バット一閃白球はるか秋の空

バット一閃白球はるか秋の空

リーグ優勝がかかる試合に先発し打てば大ホームランを三本の大谷!
ばっといっせん はっきゅうはるか あきのそら
季語:秋の空(あきのそら)
澄みきった空をいう。秋は雨に見舞われることも多いが、その後、大陸からの移動性高気圧おおわれてからりと晴れあがり、爽やかな空となる。

2025年10月17日金曜日

秋晴の病室の窓ひとつかな

秋晴の病室の窓ひとつかな

爽やかな秋晴の朝なのに病室の窓から眺める小さな秋の空。
あきばれの びょうしつのまど ひとつかな
季語:秋晴(あきばれ)
晴れわたる秋の天気のこと。秋日和と同じことであるが、秋晴は秋日和より言葉の響きがやや強い。

2025年10月16日木曜日

小鳥来て病室満ちる光かな

小鳥来て病室満ちる光かな

実習後の四人揃っての挨拶、お疲れ様でした、皆さんは患者の光です。
ことりきて びょうしつみちる ひかりかな
季語:小鳥(ことり) 
秋、日本に渡って来る鳥や、山地から人里に降りてくる小鳥たちのことをいう。鶸・連雀・尉鶲・花鶏など。

2025年10月15日水曜日

涙目のへのへのもへじ秋夕焼

涙目のへのへのもへじ秋夕焼

霞んで乾いた目にさしてもらった目薬が目に染みる。
なみだめの へのへのもへじ あきゆやけ
季語:秋夕焼(あきゆやけ)
ただ「夕焼」と言えば夏の季語である。秋の夕焼は夏の夕焼の強烈な色、暑さとは違い、どこか寂しさを伴なうものである。

2025年10月14日火曜日

節々に毛布の重き骨身かな

節々に毛布の重き骨身かな

布団では重くて毛布をかけていますがそれでも重く感じることが。
ふしぶしに もうふのおもき ほねみかな
季語:毛布(もうふ)
寝具などに用いる厚地の毛織物。ひざ掛けにしたり、掛け布団の下に入れたりして寒さを防ぐ。

2025年10月13日月曜日

鰯雲覆ふや議事堂の空

鰯雲覆ふや議事堂の空

総理大臣の座をめぐって各党の動きが活発になってきました。
いわしぐも おおうや ぎじどうのそら
季語:鰯雲(いわしぐも)
鰯の群れのように空に広がる雲。魚の鱗にも似ていることから、鱗雲ともいう。この雲が見られると鰯の群れがやってくるともいう。

2025年10月12日日曜日

八丈の海は大荒れ野分かな

八丈の海は大荒れ野分かな

台風22号が駆け抜けていった八丈島へ台風23号が向かってくる!
はちじょうの うみはおおあれ のわきかな
季語:野分(のわき) 
野の草を吹き分けて通る秋の強い風のこと。主に台風のもたらす風をさす。地方によっては「やまじ」「おしあな」などと呼ぶところもある。『枕草子』(百八十八段)では「野分のまたの日こそ、いみじうあはれにをかしけれ」とあり、野分の翌日はしみじみとした趣があるとする。

2025年10月11日土曜日

秋雨や薄墨の濃く淡くなり

秋雨や薄墨の濃く淡くなり

朝から曇り空が広がり時折雨が薄墨色に世界を染めてきます。
あきさめや うすずみの こくあわくなり
季語:秋雨(あきさめ)
秋に降る雨のこと。初秋に降る暑さを和らげる雨、台風がもたらす強く激しい雨、晩秋の冷たい雨といろいろあるが、秋雨前線による秋の長雨が印象深い。春の雨にくらべて寂しい風情がある。

2025年10月10日金曜日

野分あと連立くずれたる国よ

野分あと連立くずれたる国よ

長く続いていた連立を解消することとなり政局が慌ただしく。
のわきあと れんりつくずれたる くによ
季語:野分(のわき) 
野の草を吹き分けて通る秋の強い風のこと。主に台風のもたらす風をさす。地方によっては「やまじ」「おしあな」などと呼ぶところもある。『枕草子』(百八十八段)では「野分のまたの日こそ、いみじうあはれにをかしけれ」とあり、野分の翌日はしみじみとした趣があるとする。

2025年10月9日木曜日

かろやかに学生の声小鳥来る

かろやかに学生の声小鳥来る

今年の看護実習が始まり、学生さんの声が軽やかです。
 かろやかに がくせいのこえ ことりくる
季語:小鳥来る(ことりくる)
秋、日本に渡って来る鳥や、山地から人里に降りてくる小鳥たちのことをいう。鶸・連雀・尉鶲・花鶏など。「鶸」は「ひわ」、「連雀」は「れんじゃく」、「尉鶲」は「じょうびたき」、「花鶏」は「あとり」と読みます。これらはすべて「色鳥」や「小鳥」とも呼ばれる秋に渡ってくる美しい小鳥の総称です。

2025年10月8日水曜日

秋めくや薄日あつめて猫の道

秋めくや薄日あつめて猫の道

秋めいて薄日のさす散歩道にはあちらこちらに猫が昼寝している。
 あきめくや うすびあつめて ねこのみち
季語:秋めく(あきめく)
周辺の景色や空気が秋らしくなってくることを言う。目や耳や肌で秋の訪れを感じ取った感慨がこの季語の本意である。

2025年10月7日火曜日

初顔の若き理髪師涼新た

初顔の若き理髪師涼新た

病院に来てくれる床屋さんが変わり今日が初顔合わせです。
 はつがおの わかきりはつし りょうあらた
季語:涼新た(りょうあらた)
秋に入ってから感じる涼しさのこと。「涼し」だけでは、夏の季語となる。夏の暑さの中で感じられる涼しさではなく、「涼しく過ごしやすい季節」になってきたことをいう。

2025年10月6日月曜日

蛍光灯はこうこうと無月なり

蛍光灯はこうこうと無月なり

今夜は十五夜なのに雲に隠れて見えません。蛍光灯が眩しい。
 けいこうとうは こうこうと むげつなり
季語:無月(むげつ)
陰暦八月十五日の名月の夜、空が曇って月が隠れている様子。待ちわびた月が隠れて見えないのは残念だが、かえって風情があるともいえよう。雲の厚さや動きによって雲間より月の光が漏れるのもよい。

2025年10月5日日曜日

名月や玉手箱より立ち昇る

名月や玉手箱より立ち昇る

月の句 5/5
名月は浦島太郎が開けた玉手箱から煙とともに出てきたような。
 めいげつや たまてばこより たちのぼる
季語:名月(めいげつ)
旧暦八月十五日の月のこと。「名月をとつてくれろと泣く子かな」と一茶の句にもあるように、手を伸ばせば届きそうな大きな月である。団子、栗、芋などを三方に盛り、薄の穂を活けてこの月を祭る。

人肌のさしつさされつ月今宵

人肌のさしつさされつ月今宵

月の句 4/5
月を愛でながら人肌の燗酒をさしつさされつできたらなぁ。
 ひとはだの さしつさされつ つきこよい
季語:月今宵(つきこよい)
旧暦八月十五日の月のこと。「名月をとつてくれろと泣く子かな」と一茶の句にもあるように、手を伸ばせば届きそうな大きな月である。団子、栗、芋などを三方に盛り、薄の穂を活けてこの月を祭る。

ラジオより「Fly Me To The Moon」月今宵

ラジオより「Fly Me To The Moon」月今宵

月の句 3/5
こんなとき「Fly Me To The Moon」が聞こえてきたらいいなぁ。
 らじおより ふらいみーとうーざむーん つきこよい
季語:月今宵(つきこよい)
旧暦八月十五日の月のこと。「名月をとつてくれろと泣く子かな」と一茶の句にもあるように、手を伸ばせば届きそうな大きな月である。団子、栗、芋などを三方に盛り、薄の穂を活けてこの月を祭る。

病室の東屋めいて月今宵

病室の東屋めいて月今宵

月の句 2/5
を眺めていると病室が月見の東屋のように思えてくる。
 びょうしつの あずまやめいて つきこよい
季語:月今宵(つきこよい)
旧暦八月十五日の月のこと。「名月をとつてくれろと泣く子かな」と一茶の句にもあるように、手を伸ばせば届きそうな大きな月である。団子、栗、芋などを三方に盛り、薄の穂を活けてこの月を祭る。

看護師の肩越しに月出しかな

看護師の肩越しに月出しかな

月の句 1/5
夕食の途中ふと窓を見ると月が見えた!十五夜は明日だけど!
かんごしの かたごしに つきいでしかな
季語:月(つき)
秋の月である。春の花、冬の雪とともに日本の四季を代表する。ただ月といえば秋の月をさすのは、秋から冬にかけて空が澄み、月が明るく大きく照りわたるからである。

2025年10月4日土曜日

秋雨や「久しぶりだね本降りは」

秋雨や「久しぶりだね本降りは」

誰かが呟いた一言「久しぶりだね本降りは」言われてみれば!
 あきさめや ひさしぶりだね ほんぶりは
季語:秋雨(あきさめ)
秋に降る雨のこと。初秋に降る暑さを和らげる雨、台風がもたらす強く激しい雨、晩秋の冷たい雨といろいろあるが、秋雨前線による秋の長雨が印象深い。春の雨にくらべて寂しい風情がある。

2025年10月3日金曜日

十月や晴れるでもなく高曇り

十月や晴れるでもなく高曇り

朝は日が射していましたが薄い雲が出て晴れとも雨ともならぬ一日。
 じゅうがつや はれるでもなく たかぐもひ
季語:十月(じゅうがつ)
暑くもなく寒くもなく過ごしやすい月である。天候は変わりやすいが、晴れれば空気が澄んで気持ちよい。紅葉狩りや運動会などが盛んに行われる月である。

2025年10月2日木曜日

CT検査へ吾秋雲に乗り

CT検査へ吾秋雲に乗り

耳鳴りが続くので耳鼻科の受診の前にCT検査をすることに。
 しーてぃーけんさへ われ しゅううんにのり
季語:秋雲(しゅううん)
澄み切った蒼穹に浮かんでは消えてゆく秋の雲。鱗雲や巻積雲など秋の白い雲はくっきりと印象的である。

2025年10月1日水曜日

リハビリ終え花瓶に眩し白彼岸

リハビリ終え花瓶に眩し白彼岸

リハビリ室の窓口に白い彼岸花が花瓶に二輪、初めて見た爽やかさ。
 りはびりおえ かびんにまぶし しろひがん
季語:白彼岸花(しろひがんばな)
白い彼岸花は、白花曼珠沙華(しろばなまんじゅしゃげ)と呼ばれる花です。 白花曼珠沙華は、赤色の彼岸花と黄色の鍾馗水仙(しょうきずいせん)の自然交配種といわれており、主に九州などの暖かい地域に自生しています。 関東では人工的に植えられたものが多いようです。2021/09/14

2025年9月30日火曜日

霞む目に秋蝶のゆくへ見失ふ

霞む目に秋蝶のゆくへ見失ふ

窓の外を飛ぶ蝶を見つけたものの目で追いきれず見失ってしまう。
 かすむめに あきちょうのゆくえ みうしなう
季語:秋蝶(あきちょう)
立秋を過ぎてから見かける蝶のこと。春や夏の蝶にから比べるといくらか弱々しい印象を受ける。冬が近なるとその数もめっき り少なくなる。

2025年9月29日月曜日

秋の灯のぼやけし文字を拡大す

秋の灯のぼやけし文字を拡大す

パソコンの文字が前よりぼやけて読みにくくなった大きめに拡大。
 あきのひの ぼやけしもじを かくだいす
季語:秋の灯(あきのひ)
秋の夜に灯す明りのこと。長い夜を明りのもとで静かに味わい、語らい、書に親しむ。夜学や夜業のための明りでもある。

2025年9月28日日曜日

物言えぬ唇寒き秋の風

物言えぬ唇寒き秋の風

松尾芭蕉の「物言えば唇寒し秋の風」を本歌取りした一句です。
 ものいえぬ くちびるさむき あきのかぜ
季語:秋の風(あきのかぜ)
秋になって吹く風。立秋のころ吹く秋風は秋の訪れを知らせる風である。秋の進行とともに風の吹き方も変化し、初秋には残暑をともなって吹き、しだいに爽やかになり、晩秋には冷気をともなって蕭条と吹く。秋が五行説の金行にあたるので「金風」、また、秋の色が白にあたるので「白風」ともいう。

2025年9月27日土曜日

秋暁の「クウ」と一声腹の虫

秋暁の「クウ」と一声腹の虫

秋分を過ぎて夜明けが遅くなり窓の外を見ていると腹の虫が。
 しゅうぎょうの くうとひとこえ まらのむし
季語:秋暁(しゅうぎょう)
秋の夜明け。日の出が遅くなり、空気が冷たく感じられ澄んでくる。秋の深まった感慨をひとしお誘う時間帯である。

2025年9月26日金曜日

メジャーセブンスコードの響き秋の風

メジャーセブンスコードの響き秋の風

秋風は爽やかさの中に哀愁を帯びてメジャーセブンスコードめく。
 めじゃーせぶんす こーどのひびき あきのかぜ
季語:秋の風(あきのかぜ)
秋になって吹く風。立秋のころ吹く秋風は秋の訪れを知らせる風である。秋の進行とともに風の吹き方も変化し、初秋には残暑をともなって吹き、しだいに爽やかになり、晩秋には冷気をともなって蕭条と吹く。秋が五行説の金行にあたるので「金風」、また、秋の色が白にあたるので「白風」ともいう。

2025年9月25日木曜日

秋燕や風紋刻む風の音

秋燕や風紋刻む風の音

帰ってゆく燕が去ったあとの浜辺には風紋を刻む風の音だけが。
 しゅうえんや ふうもんきざむ かぜのおと
季語:秋燕(しゅうえん)
春に渡って来た燕は秋に南方へ帰ってゆく。夏の間に雛をかえし、九月頃群れをなして帰ってゆくと、淋しさが残る。

2025年9月24日水曜日

爽やかや肌を離れし湯の熱り

爽やかや肌を離れし湯の熱り

風呂上がり部屋まで廊下を来る間に湯の熱りも汗も引いていた。
 さわやかや はだをはなれし ゆのほてり
季語:爽やか(さわやか)
爽やかとは、もともとはさらりと乾いた秋風が吹くことをいう。次にその風に包まれるときの感じをいうようになり、さらに秋のここちよい気分をいうようになった。

2025年9月23日火曜日

炎立つ一群紅き曼珠沙華

炎立つ一群紅き曼珠沙華

秋のお彼岸になるころいつの間にか咲く彼岸花、ようやく秋が。
 ほむらたつ ひとむらあかき まんじゅしゃげ
季語:曼珠沙華(まんじゅしゃげ)
曼珠沙華は天界に咲く赤い花を表す梵語。秋、田畑の畦や土手に咲くヒガンバナ科の多年草で群生する。墓地の近辺にみられることも多いため彼岸の名がつく。毒があるといわれるが鱗茎には澱粉が多く食用にもなる。昔は飢饉に備えて植えられていたという説もある。

2025年9月22日月曜日

病む子思う母と母思う子や秋の暮

病む子思う母と母思う子や秋の暮

入院している子供を見舞う母親の様子に二十年前の母と吾を想う。
 やむこおもうははと ははおもうこや あきのくれ
季語:秋の暮(あきのくれ)
秋の一日の夕暮れという意味と、秋という季節の終わりという意味がある。古来より二つの意味で使われてきたが、二つの意味が相互に響きあう場合も少なくない。<さびしさはその色としもなかりけり真木立つ山の秋の夕暮> 寂蓮『新古今集』、<心なき身にもあはれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮>西行『新古今集』<見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮>藤原定家『新古今集』などと古くから歌われ、「もののあはれ」「寂しさ」象徴する季語となった。

2025年9月21日日曜日

秋彼岸憂きこと多き人生よ

秋彼岸憂きこと多き人生よ

暑さも彼岸までと思ってきたものの彼岸過迄伸びそうな気配が。
 あきひがん うきことおおき じんせいよ
季語:秋彼岸(あきひがん) 
秋分の日(九月二十三日ごろ)を中日とし、前後三日を含めた七日間を指す。お墓参りをし、おはぎを作ってご先祖に供える。彼岸は春と秋の二回あり、秋の彼岸は後の彼岸ともいう。ただ彼岸という場合は春の彼岸を指す。

2025年9月20日土曜日

薄曇る色なき秋の彼岸入り

薄曇る色なき秋の彼岸入り

今日は秋の彼岸の入りで朝から薄曇りで残暑の山は越えたよう。
 うすぐもる いろなきあきの ひがんいり
季語:秋彼岸(あきひがん)
秋分の日(九月二十三日ごろ)を中日とし、前後三日を含めた七日間を指す。お墓参りをし、おはぎを作ってご先祖に供える。彼岸は春と秋の二回あり、秋の彼岸は後の彼岸ともいう。ただ彼岸という場合は春の彼岸を指す。

2025年9月19日金曜日

胸水を抱えて生きる子規忌かな

胸水を抱えて生きる子規忌かな

今日は正岡子規の命日。私は溜まったままの胸水と生きてゆく。
 きょうすいを かかえていきる しききかな
季語:子規忌(しきき) 
俳人、正岡子規の忌日。明治三十五年(一九〇二年)九月十九日脊椎カリエスにより没。三十五歳。

2025年9月18日木曜日

夕暮の耳鳴りと残る蝉の声

夕暮の耳鳴りと残る蝉の声

耳鳴りがしてきた蜩の声のようでしばらく耳鳴りを聴いていた。
 ゆうぐれの みみなりと のこるせみのこえ
季語:残る蝉(のこるせみ)
立秋を過ぎて鳴く蝉のこと。盂蘭盆の頃の蝉の鳴き声にはまだまだ力強いものがある。夕方になると、油蝉などに混じってかなかなやつくつく法師も鳴き始める。秋も深まるにつれて蝉の声も弱弱しくなり、いつの間にか鳴き声もとだえてしまう。

2025年9月17日水曜日

朝焼や今日も猛暑となる予感

朝焼や今日も猛暑となる予感

朝焼けの空を見てまた今日も猛暑日となりそうな気がしました。
 あさやけや きょうももうしょと なるよかん
季語:朝焼(あさやけ) 
太陽の光が大気層を通過する時の散乱現象で、日の出の時に東の空が紅黄色に染まることをいう。夏が最も色鮮やかで、天気が下り坂になる前兆でもある。

2025年9月16日火曜日

酔いさます祭のあとの夜風かな

酔いさます祭のあとの夜風かな

祭も三日目の千秋楽の夜、祭囃子も遠ざかり夜風が心地よい。
 よいさます まつりのあとの よかぜかな
季語:祭(まつり)
単に祭といえば都市の神社の夏祭をさす。悪疫退散を目的とする。この点、秋に田園の神社で行なわれる秋祭(収穫祭)と異なる。山車や鉾、神輿などの巡行があり、舞や奏楽などの奉納が行われる。境内や門前には夜店が立ち並び、宵宮から祭り当日にかけて多くの人でにぎわう。

2025年9月15日月曜日

留守の家を残し流れる祭かな

留守の家を残し流れる祭かな

今日は祭の中日でお渡りがある日です。今頃は留守の家の前か。
 るすのやを のこしながれる まつりかな
季語:祭(まつり)
単に祭といえば都市の神社の夏祭をさす。悪疫退散を目的とする。この点、秋に田園の神社で行なわれる秋祭(収穫祭)と異なる。山車や鉾、神輿などの巡行があり、舞や奏楽などの奉納が行われる。境内や門前には夜店が立ち並び、宵宮から祭り当日にかけて多くの人でにぎわう。

2025年9月14日日曜日

伯父の忌のかの夜の祭囃子かな

伯父の忌のかの夜の祭囃子かな

祭好きだった伯父の通夜の席に聞こえてきた祭囃子を思い出す。
 おじのきの かのよの まつりばやしかな
季語:祭(まつり)
単に祭といえば都市の神社の夏祭をさす。悪疫退散を目的とする。この点、秋に田園の神社で行なわれる秋祭(収穫祭)と異なる。山車や鉾、神輿などの巡行があり、舞や奏楽などの奉納が行われる。境内や門前には夜店が立ち並び、宵宮から祭り当日にかけて多くの人でにぎわう。

2025年9月13日土曜日

秋の夜の痰が切れぬよ喉の奥

秋の夜の痰が切れぬよ喉の奥

寝る前に吸引してもらったのに喉の奥に取り切れない痰が絡む。
 あきのよの たんがきれぬよ のどのおく
季語:秋の夜(あきのよ)
夜が段々と長くなり、静かな感じがある。外は、月が昇り、虫が 鳴いている。そのような夜には勉強などの様々な作業に集中でき る。

2025年9月12日金曜日

坂多き二十三区や秋出水

坂多き二十三区や秋出水

東京23区には坂が多く大雨に排水が間に合わず川が溢れる。
 さかおおき にじゅうさんくや あきでみず
季語:秋出水(あきでみず)
盆過ぎの集中豪雨や台風がもたらす雨で河川の水があふれること。収穫を前にした田が台無しになることもある。

2025年9月11日木曜日

秋雷や空は一転かき曇り 

秋雷や空は一転かき曇り 

秋雨前線が活発になり線状降水帯が発生して雷雨となりました。
 しゅうらいや そらはいってん かきくもり
季語:秋雷(しゅうらい)
たんに雷といえば夏の季語であるが、秋にも入道雲が湧いて雷が鳴ったり、寒冷前線の影響で雷雨がもたらされたりする。

2025年9月10日水曜日

風に吹かれ行けば秋の蝉の声

風に吹かれ行けば秋の蝉の声

暑さの中に吹く風の心地よく秋の蝉の声が聞こえてきます。
 かぜにふかれゆけば あきのせみのこえ
季語:秋の蝉(あきのせみ)
立秋を過ぎて鳴く蝉のこと。盂蘭盆の頃の蝉の鳴き声にはまだまだ力強いものがある。夕方になると、油蝉などに混じってかなかなやつくつく法師も鳴き始める。秋も深まるにつれて蝉の声も弱弱しくなり、いつの間にか鳴き声もとだえてしまう。

2025年9月9日火曜日

竜巻の爪痕灼ける秋日かな

竜巻の爪痕灼ける秋日かな

最大級だった竜巻の被災地に容赦ない秋の日が照りつける。
 たつまきの つめあとやける あきびかな
季語:秋日(あきび)
秋の日の光であり、秋の一日でもある。秋の太陽は残暑をもたらすが、しだいに爽やかになり、晩秋には目に見えて日差しも衰える。秋の一日は、秋分を過ぎるとしだいに日が短くなり、冬が近づくころには、釣瓶落としいわれるように、一気に暮れてしまう。

2025年9月8日月曜日

露の世や首相辞任に月紅し

露の世や首相辞任に月紅し

首相辞任が報じられて月蝕の紅い月の不穏な感がありました。
 つゆのよや しゅしょうじにんに つきあかし
季語:露(つゆ)
草の葉などに結んだ水の玉。露は一年中発生するが、秋に最も多いので単に露といえば秋である。露はすぐ消えるので、はかないものの象徴でもある。

2025年9月7日日曜日

百日紅祭り近づく相良かな

百日紅祭り近づく相良かな

百日紅の花を見ると相良の実家を思い出す。祭りも近くなるころ。
 さるすべり まつりちかづく さがらかな
季語:百日紅(さるすべり) 
梅雨明けごろから九月末まで咲き続ける木の花。「百日紅(ひゃくじつこう)」の名は、百日ものあいだ咲きつづけることに由来する。花の色は紅のほかに白、紫もある。樹幹の肌が滑らかで、「猿も滑る」ところからこの名がある。

2025年9月6日土曜日

台風一過なれど停電夜の深き

台風一過なれど停電夜の深き

台風と突風で停電となって真っ暗な中で停電復旧の工事を急ぐ!
 たいふういっか なれどていでん よのふかき
季語:台風一過(たいふういっか)
台風が通り過ぎた後、空が晴れ渡ってよい天気となること。台風は、周囲の湿った空気を吸い上げて上昇気流を発生させ、雲や雨をもたらします。しかし、台風が通過した後は、その周辺に下降気流が発生しやすくなるため、雲ができにくくなり、空が晴れ渡ることが多い。


2025年9月5日金曜日

台風や雲疾走す昼の闇

台風や雲疾走す昼の闇

九州で発生した台風15号が四国、近畿、東海、関東を過ぎて行く。
 たいふうや くもしっそうす ひるのやみ
季語:台風(たいふう)
北大西洋か南シナ海あたりに発生する熱帯低気圧で、最大風速が約毎秒十七メートル以上のものをいう。二百十日の実りのころに日本を襲い、深甚な被害をもたらすこともしばしばである。

2025年9月4日木曜日

旱果ててその果ての果て秋出水

旱果ててその果ての果て秋出水

雨が降り始め渇ききった大地が潤ったかと思いきや豪雨となって。
 かんはてて そのはてのはて あきでみず
季語:秋出水(あきでみず)
盆過ぎの集中豪雨や台風がもたらす雨で河川の水があふれること。収穫を前にした田が台無しになることもある。

2025年9月3日水曜日

巣のことは知らずにおりし秋の蜂

のことは知らずにおりし秋の蜂

散歩の帰り「あの辺りにあった蜂の巣を撤去しました」とのこと!
 すのことは しらずにおりし あきのはち
季語:秋の蜂(あきのはち)
蜂は冬眠するまで動き回る。秋にもよくその姿を見かけるが、動きは活発ではない。秋の深まりとともに幼虫は羽化して成虫となる。雄蜂は死に、越冬するのは雌だけである。

2025年9月2日火曜日

夕残暑東の空も紅く染め

夕残暑東の空も紅く染め

日が沈んでも残暑は厳しく東の空までも紅く染まっている。
 ゆうざんしょ ひがしのそらも あかくそめ
季語:残暑(ざんしょ) 
立秋を過ぎた後の暑さ。例年、八月いっぱいくらいは暑い日がつづく。いったん涼しくなった後で、暑さがぶり返すこともある。

2025年9月1日月曜日

九月来て隔離解除となりにけり

九月来て隔離解除となりにけり

コロナ対策の十日間の隔離が終わりカーテンが開かれました。
 くがつきて かくりかいじょと なりにけり
季語:九月(くがつ)
何より月を愛でる月である。朝夕はひんやりとはするものの、まだまだ残暑が厳しい。彼岸を過ぎれば秋は深まり、夜には虫の声も聞こえてくる。一方、台風が多い月で、日本各地に被害をもたらす。

2025年8月31日日曜日

晴天や為すすべのなき大旱

晴天や為すすべのなき大旱

大雨が降るところかあったり降らないところは全く降らない異常。
 せいてんや なすすべのなき おおひでり
季語:旱(ひでり) 
太平洋高気圧に覆われて、連日雨が降らずに日が照りつけることをいう。旱魃とも言いい、地面は渇ききって草木は枯れてしまう。農林災害はもちろん、人々の飲料水にも深刻な打撃を与える。           

2025年8月30日土曜日

八月の異常気象に明け暮れて

八月の異常気象に明け暮れて

今年の暑さは記録的なもの、毎日、猛暑!猛暑!に明け暮れて。
 はちがつの いじょうきしょうに あけくれて
季語:八月(はちがつ)
立秋を迎え、暦の上では夏から秋へと季節はかわる月。実際にはしばらく暑い日が続くが、そうしたなかにも暑さはさかりを越え、徐々に秋の気配が濃くなってゆく。

2025年8月29日金曜日

湯上がりというささやかな新涼

湯上がりというささやかな新涼

コロナのため十日ぶりの入浴、湯上がりの涼しさの何と心地良き。
 ゆあがりという ささやかな しんりょう
季語:新涼(しんりょう)
秋に入ってから感じる涼しさのこと。「涼し」だけでは、夏の季語となる。夏の暑さの中で感じられる涼しさではなく、「涼しく過ごしやすい季節」になってきたことをいう。

2025年8月28日木曜日

一枚の隔離カーテン秋暑し

一枚の隔離カーテン秋暑し

感染対策らしい一枚の間仕切りカーテンの閉塞感と空清機の音。
 いちまいの かくりかーてん あきあつし
季語:秋暑し(あきあつし)
立秋を過ぎた後の暑さ。例年、八月いっぱいくらいは暑い日がつづく。いったん涼しくなった後で、暑さがぶり返すこともある。

2025年8月27日水曜日

花火果て闇の中より二つ星

花火果て闇の中より二つ星

花火俳句 5 / 5
花火が終わって闇が戻った天に二つの明るい星が輝やいている。
 はなびはて やみのなかより ふたつぼし
 季語:二つ星(ふたつぼし)
陰暦七月七日の七夕に、年に一度天の川を渡って出会う織姫星と彦星のこと。実際の星の名は琴座のベガと鷲座のアルタイル。

花火見る亡き妹を思いつつ

花火見る亡き妹を思いつつ

俳句花火 4 / 5
火を見ながら今年亡くなった妹も見ているだろうかと思う。
 はなびみる なきいもうとを おもいつつ
季語:花火(はなび)

花火師や花火の中を見回りぬ

花火師や花火の中を見回りぬ

花火俳句 3 / 5
花火の火の粉の中を花火師が見回っています。さすがのプロ魂!
 はなびしや はなびのなかを みまわりぬ
季語:花火(はなび)

花火の夜一番好きな看護師と

花火の夜一番好きな看護師と

花火俳句 2 / 5
花火の付き添いには私が一番好きな看護師さんがきてくれました。
 はなびのよ いちばんすきな かんごしと
季語:花火(はなび)

花火待つ夕雲薄くたなびいて

花火待つ夕雲薄くたなびいて

花火俳句 1 / 5
今年はコロナ騒ぎがあり私は玄関前の特等席で花火を見ることに。
 はなびまつ ゆうぐもうすく たなびいて
季語:花火(はなび)
種々の火薬を組み合わせ、夜空に高く打ち上げて爆発の際の光の色や音を楽しむもの。もともとは、秋祭りの奉納として打ち上げられた。日本一の四尺花火が打ち上げられる新潟県小千谷市の片貝地区では、子供の誕生や入学就職記念、追善供養など、生活の節目節目に、住民が花火を奉納する。

2025年8月26日火曜日

畑の西瓜喰らう正体は熊

畑の西瓜喰らう正体は熊

熊が人里近く現れることが多くなり、実った西瓜を食べられたり。
 はたけのすいかくらう しょうたいは くま
季語:西瓜(すいか)
ウリ科蔓性の一年草である。球形のものと楕円形のものがあり、黒い縞模様が特徴的。果肉は赤色、黄色がある。水分を多く含み甘い。清水に浮かべたり、井戸につるしたりして冷やして食べる。

2025年8月25日月曜日

文月や猛暑コロナの夜も昼も

文月や猛暑コロナの夜も昼も

コロナ対策に置かれた空気清浄機の音がやかましくて夜も睡れぬ。
 ふみづきや もうしょころなの よもひるも
季語:文月(ふみづき)
旧暦七月の別称。文月は文披月(ふみひらきづき)の略で、七夕 の行事に因んでいる。すでに秋の気配がある。

2025年8月24日日曜日

お日掛けをお隣さんへ紅芙蓉

お日掛けをお隣さんへ紅芙蓉

夏休みには回覧板や日掛け箱を隣の家に回すのを時々頼まれた。
 おひがけを おとなりさんへ べにふよう
季語:紅芙蓉(べにふよう)
アオイ科の落葉低木。高さは一・五~三メートル。八月から十月 にかけて白、あるいは淡紅色の五弁の花を咲かせるが、夕方には しぼんでしまう。咲き終わると薄緑色の莟のような実ができる。観賞用として庭などに植えられる。

2025年8月23日土曜日

終わらないコロナ感染秋暑し

終わらないコロナ感染秋暑し

忘れかけていたコロナ感染が再び広がってきたことを知らされた。
 おわらない ころなかんせん あきあつし
季語:秋暑し(あきあつし)
立秋を過ぎた後の暑さ。例年、八月いっぱいくらいは暑い日がつづく。いったん涼しくなった後で、暑さがぶり返すこともある。

2025年8月22日金曜日

甲子園から蜻蛉か消えた異変

甲子園から蜻蛉か消えた異変

夏の甲子園球場にはトンボが沢山飛んでいましたが今年はいない。
 こうしえんから とんぼがきえた いへん
季語:蜻蛉(とんぼ)
鬼やんま、塩辛蜻蛉、蜻蛉釣トンボ目に属する昆虫の総称。あきつ、やんまなどともいう。腹部は細長く円筒状。透明な二対の翅で飛び、大きな複眼を持つ。日本国をさす「あきつしま」は、蜻蛉が尾を咥えあった形に似ているからという故事による。

2025年8月21日木曜日

パラソルの吾が車椅子いとをかし

パラソルの吾が車椅子いとをかし

車椅子に日傘を付けてもらって出かけた散歩姿がアニメチックで。
 ぱらそるの わがくるまいす いとおかし
季語:パラソル (ぱらそる) 
夏の強い日差しを防ぐための傘。主に女性が用いる。江戸時代の日傘は、竹の骨に紙を張っただけのもの。雨用とは違い、油や渋は塗らなかった。最近では白ばかりではなく、黒い色のものも目にする。

2025年8月20日水曜日

狂詩曲風幻想曲蝉時雨

狂詩曲風幻想曲蝉時雨

年初めて蝉の声を聞いた。蝉時雨を楽しめる日本人で良かった。
 きょうしきょくふう げんそうきょく せみしぐれ
季語:蝉時雨(せみしぐれ)
夏、樹木などにへばりついてやかましく鳴声を立てる虫。多くの蝉がいっせいに鳴く騒がしさを時雨にたとえて蝉時雨という。

2025年8月19日火曜日

猛残暑中お見舞いを甲子園

猛残暑中お見舞いを甲子園

甲子園は準々決勝の熱戦が終わりました。あと三試合ガンバレ!
 もうざんしょちゅう おみまいを こうしえん
季語:残暑(ざんしょ)
立秋を過ぎた後の暑さ。例年、八月いっぱいくらいは暑い日がつづく。いったん涼しくなった後で、暑さがぶり返すこともある。

2025年8月18日月曜日

人類に太古の光天の川

人類に太古の光天の川

天の川を初めて見た人間は何を感じたのだろうか人類の未来は?
 じんるいに たいこのひかり あまのがわ
季語:天の川(あまのがわ)
初秋の澄み渡った夜空に帯状に横たわる無数の星。川のように見えるので、「銀河」「銀漢」ともいう。七夕伝説の織姫と彦星を隔てる川で、二人は年に一度、旧暦七月七日の夜にこの川を渡って逢うことをゆるされる。

2025年8月17日日曜日

外角低め快速球や涼し

外角低め快速球や涼し

球が速い高校生はいますがビシッと決まる外角低めの速球に拍手。
 がいかくひくめ かいそっきゅうや すずし
季語:涼し(すずし)
夏の暑さに思いがけず覚える涼しさは格別である。流水や木陰、雨や風を身に受けて安堵する涼もあれば、音感や視覚で感受する涼味もある。朝、夕、晩、夜、宵に涼を添え季語をなす。秋の涼は新涼、初涼といい区別する。

2025年8月16日土曜日

万緑や勝者が隠す真実

万緑や勝者が隠す真実

歴史に記されているのは戦争の勝者から見たことで真実は。
 ばんりょくや しょうしゃがかくす しんじつ
季語:万緑(ばんりょく)
夏の山野をおおう植物の満目の緑をいう。「茂」よりも広範囲な情景である。

2025年8月15日金曜日

終戦の日じっと黙していた父

終戦の日じっと黙していた父

戦時中のことは母からはよく聞きましたが、父は話さなかった。
 しゅうせんのひ じっともくしていた ちち
季語:終戦の日(しゅうせんのひ)
八月十五日。昭和二十年のこの日、日本はポツダム宣言を受諾して第二次世界大戦は終了した。戦争の誤ちを反省し、平和の希求を確認する日。各地で戦没者を追悼する催しが行われる。

2025年8月14日木曜日

背負われてベンチへ戻る赤蜻蛉

背負われてベンチへ戻る赤蜻蛉

炎天下に全力で白球を追い続ける選手の足がつるのもわかる。
 せおわれて べんちへもどる あかとんぼ
季語:赤蜻蛉(あかとんぼ)
アカトンボ類の俗称で、一般には赤い蜻蛉のことを言う。幼虫は水田などのたまり水に棲む。初夏に成虫となり、羽化後まもなく高山に移動する。初秋にふたたび平地に下りて産卵する。十一月頃まで見られる。

2025年8月13日水曜日

立ちすくむ瓦礫の山や秋出水

立ちすくむ瓦礫の山や秋出水

洪水で押し流された瓦礫の乾いた山を前に猛暑の中立ちすくむ人。
 たちすくむ がれきのやまや あきでみず
季語:秋出水(あきでみず)
盆過ぎの集中豪雨や台風がもたらす雨で河川の水があふれること。収穫を前にした田が台無しになることもある。

2025年8月12日火曜日

夕日にうなだれていた日輪草

夕日にうなだれていた日輪草

四十年前日航ジャンボ機墜落事故があった日にも向日葵の影が。
 ゆうひに うなだれていた にちりんそう
季語:日輪草(にちりんそう)
向日葵の別称。向日葵は太陽の花。太陽に向かって花の向きを変えると考えて、この名がついた。夏の象徴の花である。

2025年8月11日月曜日

初嵐知らぬ高校増えてきし

初嵐知らぬ高校増えてきし

今年の甲子園は猛暑と大雨で大変ですが新しい高校も増えて。
 はつあらし しらぬこうこう ふえてきし
季語:初嵐(はつあらし)
立秋を過ぎて、初めて吹く嵐のこと。 

2025年8月10日日曜日

冷房に目覚め激しき雨の音

冷房に目覚め激しき雨の音

冷房の風が寒くて目が覚めたとき激しい雨の音に気がついた。
 れいぼうに めざめはげしき あめのおと
季語:冷房(れいぼう)
液体アンモニアの気化による方法で乾燥した空気を作り、これを冷やして室内に送る。炎暑の室内の温度を下げ暑さを忘れさせてくれる。近年は、地球温暖化防止の為に室内の温度設定を上げる取り組みがなされている。

2025年8月9日土曜日

朝顔に水ふりかかる吊り手水

朝顔に水ふりかかる吊り手水

子供のころ便所は外にあり手洗い用の吊り手水の下に朝顔の鉢が。
 あさがおに みずふりかかる つりちょうず
季語:朝顔(あさがお)
朝顔は、秋の訪れを告げる花。夜明けに開いて昼にはしぼむ。日本人はこの花に秋の訪れを感じてきた。奈良時代薬として遣唐使により日本にもたらされた。江戸時代には観賞用として栽培されるようになった。旧暦七月(新暦では八月下旬)の七夕のころ咲くので牽牛花ともよばれる。

2025年8月8日金曜日

夏の水新幹線の紙コップ

夏の水新幹線の紙コップ

初めて乗った新幹線の思い出は紙コップで飲んだ冷水器の水の味。
 なつのみず しんかんせんの かみこっぷ
季語:夏の水(なつのみず)
水道の水は生温かいが、井戸水や清水は冷たく気持ちよい。子どもたちが水遊びする浅瀬の水やにわか雨の後の出水など、夏にはさまざまな水がある。

2025年8月7日木曜日

ひらひらと紙のふうりん今朝の秋

ひらひらと紙のふうりん今朝の秋

病棟の廊下の折紙飾りの中に紙の風鈴が扇風機の風に揺れている。
 ひらひらと かみのふうりん けさのあき
季語:今朝の秋(けさのあき)
立秋の日の朝のこと。立秋とは二十四節気の一つ。文字どおり、秋立つ日であり、四季の節目となる「四立」(立春、立夏、立秋、立冬)の一つ。この日から立冬の前日までが秋である。新暦の八月七日ころにあたる。実際には一年で一番暑いころであるが、朝夕の風音にふと秋の気配を感じるころでもある。

2025年8月6日水曜日

風死すや八月六日の昼の道

風死すや八月六日の昼の道

猛暑で熱中症アラートが出ている散歩道を十五分広島を想いつつ。
 かぜしすや はちがつむいかの ひるのみち
季語:風死す(かぜしす)
夏の暑さの中、少しでも風が吹けば心地良いものだが、風がぴたりと止むと誠に耐え難い暑さとなる。いわゆる「凪」と言われる現象であるが、「風死す」と言えばその息苦しさが感じられる。

2025年8月5日火曜日

海風の尚その上に山風炎ゆ

海風の尚その上に山風炎ゆ

海風は熱い海面の空気、その上に山越えの山風の更に熱い空気が。
 うみかぜの なおそのうえに やまかぜもゆ
季語:炎ゆ(もゆ)
ぎらぎらと輝く太陽の強い日差しによって、万物が燃えるような熱気をいう。照りつける太陽に道路はゆらめき、あたかも炎を上げているようにも思える。この季語は多分に視覚に訴えるところがある。

2025年8月4日月曜日

静けさの夏朝活に詠む一句

静けさの夏朝活に詠む一句

目が覚めて病棟が動き出すまでのひと時の静けさに句を詠みます。
 しずけさの なつあさかつに よむいっく
季語:夏(なつ)
立夏から立秋の前日までの約三ヶ月間の季節をいう。気象学では夏至から秋分まで。四季の中で最も暑く日差しが強いのが特徴。三夏とは爽やかな暑さの初夏、梅雨どきの蒸し暑さの仲夏、炎暑の晩夏をいう。九夏は夏九十日間のことをいう。

2025年8月3日日曜日

夢に見し冷やし中華の出前かな

夢に見し冷やし中華の出前かな

吾家では日曜の昼は三亀松さんの出前だったと思ったら夢に出た。
 ゆめにみし ひやしちゅうかの でまえかな
季語:冷やし中華(ひやしちゅうか)
茹でた中華麺を冷水で締めるなどして冷やしたものを使った日本の麺料理。野菜(トマト、キュウリなどの夏野菜や茹でモヤシ)、焼金華ハム、錦糸卵などの色とりどりの具材を麺にのせて、冷たい酢醤油、胡麻だれ、味噌だれなどをかけて食べる。薬味として紅生姜・からし・マヨネーズなどが添えられることもある。

2025年8月2日土曜日

令和なる今も雨乞い大ひでり

令和なる今も雨乞い大ひでり

はひび割れダムの水も底をつき雨乞いをして神仏に祈るのみか!
 れいわなる いまもあまごい おおひでり
季語:旱(ひでり)
太平洋高気圧に覆われて、連日雨が降らずに日が照りつけることをいう。旱魃とも言いい、地面は渇ききって草木は枯れてしまう。農林災害はもちろん、人々の飲料水にも深刻な打撃を与える。           

2025年8月1日金曜日

八月や長き昭和の人熱れ

八月や長き昭和の人熱れ

八月の長い夏の印象は、昭和の長い夏の人いきれの中の記憶です。
 はちがつや ながきしょうわの ひといきれ
季語:八月(はちがつ)
立秋を迎え、暦の上では夏から秋へと季節はかわる月。実際にはしばらく暑い日が続くが、そうしたなかにも暑さはさかりを越え、徐々に秋の気配が濃くなってゆく。

2025年7月31日木曜日

わだつみよ荒ぶるなかれ土用東風

わだつみよ荒ぶるなかれ土用東風

津波注意報は解除されましたが今度は台風が近づいてくるようです。
 わだつみよ あらぶるなかれ どようこち
季語:土用東風(どようこち)
夏の土用のさなかに吹く東風のこと。また雲ひとつない晴天に吹き渡る東風を「青東風」という。「青東風」は「青嵐」に含まれる場合もあるが、「青嵐」が爽快で清涼な風なのに対し、「青東風」は蒸した感じが伴う。

2025年7月30日水曜日

今日もまた熱き息吐く百日紅

今日もまた熱き息吐く百日紅

猛暑に人も動物も植物もぐったりしている中、元気な夏草と百日紅。
 きょうもまた あつきいきはく ひゃくじつこう
季語:百日紅(ひゃくじつこう)
梅雨明けごろから九月末まで咲き続ける木の花。「百日紅(ひゃくじつこう)」の名は、百日ものあいだ咲きつづけることに由来する。花の色は紅のほかに白、紫もある。樹幹の肌が滑らかで、「猿も滑る」ところからこの名がある。

2025年7月29日火曜日

タワービル延びるクレーン雲の峰

タワービル延びるクレーン雲の峰

開発の都会のタワービルの屋上からクレーンが雲の上まで延びる。
 たわーびる のびるくれーん くものみね
季語:雲の峰(くものみね)
盛夏、聳え立つ山並みのようにわき立つ雲。積乱雲。夏といえば入道雲であり、夏の代名詞である。強い日差しを受けて発生する激しい上昇気流により、巨大な積雲に成長して行く。地方により坂東太郎・丹波太郎・信濃太郎・石見太郎・安達太郎・比古太郎などとよばれる。

2025年7月28日月曜日

夏燕夕暮れ前の空高く

夏燕夕暮れ前の空高く

ようやく日が傾きかける頃、燕が空を高く飛んでいる帰る練習か。
 なつつばめ ゆうぐれまえの そらたかく
季語:夏燕(なつつばめ)
夏に飛ぶ燕である。燕は、春、南方から渡ってきて繁殖活動に入 る。四月下旬から七月にかけて二回産卵する。雛を育てる頃の燕 は、子燕に餌を与えるため、野や町中を忙しく飛び回る。

2025年7月27日日曜日

今どきの高校野球サングラス

今どきの高校野球サングラス

炎天下の高校野球、近頃の猛暑対策なのかサングラスの選手がいる。
 いまどきの こうこうやきゅう さんぐらす
季語:サングラス(さんぐらす)
紫外線から眼、ことに網膜を保護するための色付きの眼鏡。眼の保護以外にファッションとして用いることも多い。

2025年7月26日土曜日

夏の夜半つくづく思う幸福とは

夏の夜半つくづく思う幸福とは

春は曙夏は夜、ふと思う幸福とは何だろうと天井を眺めて考える。
 なつのよわ つくづくおもう こうふくとは
季語:夏の夜半(なつのよわ)
日中の暑さがピークを越して、やや過ごし易くなるはずの夜であるが、最近は熱帯夜に悩まされることも多い。しかし夏の夜は遅くまで人通りがあり、寝るのが何となく惜しく夜更かしをしたりする。

2025年7月25日金曜日

生き様は人それぞれよ蝸牛

生き様は人それぞれよ蝸牛

人生百年時代と言われるようになっても蝸牛のようにマイペースで。
 いきざまは ひとそれぞれよ かたつむり
季語:蝸牛(かたつむり)
渦巻き状の薄い殻、伸縮自在の柔らかな体。二本の角を出し、木や草をゆっくりと這う。梅雨のころによく見られる。童謡などにも唄われる。二本の角の長いほうの先端が目の役割をする。